「月刊アナログゲーム情報誌「Role & Roll」Vol.105掲載「『エクリプス・フェイズ』エントリー・ミッション10 進化の石板」

文:朱鷺田祐介 協力:『エクリプス・フェイズ』翻訳チーム



 岡和田晃

 「Role & Roll」(アークライト/新紀元社)は、会話型ロールプレイングゲーム(テーブルトークRPG、TRPG)やボードゲームの記事を中心に扱ったアナログゲーム(電源を使わないゲーム)の月刊情報誌です。毎号さまざまなタイトルが紹介&サポートされていますが、今回の「Role & Roll」Vol.105には『エクリプス・フェイズ』の「エントリー・ミッション」第10回、『進化の石板』が掲載されています。

 「エントリー・ミッション」とは、『エクリプス・フェイズ』世界の入門、あるいはゲーム・ファンへ向けたSF入門を目指した記事となっています。有名なSF小説やSF映画を題材にした、すぐに遊べる『エクリプス・フェイズ』の短篇シナリオを、毎号、日本語版オリジナルのものとして紹介・掲載していきます。また、特別付録として、ルールブックやサプリメント(追加設定資料集)から、サンプル・キャラクターを抜粋して翻訳・紹介しています。
 つまり、この記事と「Role&Roll」Vol.92のルールサマリーさえあれば、手軽に『エクリプス・フェイズ』世界で冒険することが可能になる、というわけです!

 今回の「エントリー・ミッション」は、スタンリー・キューブリック監督の映画『2001年宇宙の旅』を下敷きとしています。SFファンであればご存知の方も多いと思いますが、この映画はもともと、アーサー・C・クラークの短篇SF「前哨」をもとに、キューブリック監督とクラークが共同でアイデアを出し合って成立した一編です。映画版の完成後、クラークが小説版を書きおろし、映画とは敢えて異なる解釈をもたせ、評判となります。そしてシリーズは『2010年宇宙の旅』、『2061年宇宙の旅』、『3001年終局への旅』と続いていきます。



 『2001年宇宙の旅』は、さまざまな解釈ができる作品ではありますが、本シナリオでは、そのなかでも、冒頭に登場する異星人が遺した謎の石板「モノリス」の謎に焦点が当てられます。シナリオ冒頭に明記された「予告編」が、雰囲気をよく伝えるので、参考までにご紹介いたしましょう。


「積荷は、土星大気圏から発見された『黒い石板』。
 モノリスと呼んでもいいわ」
 目の前にあるのは、どこかで見たような風景。

#『2001年宇宙の旅』。スタンリー・キューブリック監督の映画。必要なら該当箇所の楽曲、リヒャルト・シュトラウスの『ツァラトゥストラはかく語りき』をインポーズします。

 支援AI(ミューズ)が情報を支援する。おそらく発見者の宇宙生物学者シャノン・C・クリスタル(通称3C)の脳内でもリピートされた言葉だ。


 また、本シナリオでは金星のエアロスタット「ザ・シャック」が重要な拠点となっています。金星は『エクリプス・フェイズ』の冒険では、頻繁に舞台となりますが、その設定をどのように活かすのか、参考資料としても利用できることでしょう。

 さて、今回ご紹介するサンプル・キャラクターは、「移り気な科学者」。サプリメント(追加設定資料集)『Sunward』から、いち早く紹介させていただくキャラクターです。見た目は宇宙服を身にまとった美女ですが、よく足下を見れば、そこにはパワフルな爪が……。そう、このキャラクターは、知性化されたチンパンジーの科学者という設定になっているのです。
 研究室や居住区での活動ではなくフィールドワークを最重視する研究スタイルのアクティヴな科学者。『エクリプス・フェイズ』では行動派の科学者の活躍の機会は多いので、さまざまな場面で本キャラクターは活用できるでしょうが、やはり一回は『猿の惑星』のようなシナリオを遊んでみたいものですね。

 「SF Prologue Wave」の小説を読んだら、ぜひ、実際に『エクリプス・フェイズ』世界に飛び込んでみましょう。きっと、あなたのクリエイティヴィティが、さらに刺激されること、間違いありません。


※本シナリオにおいては、ロールプレイングゲームそのものの基本的な考え方については説明がなされていません。お手数ですが各種入門書やWebサイト等をご覧のうえ、ご参照いただけましたら幸いです。
 「Role&Roll Station」では『エクリプス・フェイズ』体験会が開催されています。参加費用は無料、SF初心者の方もゲーム初心者の方も、イチから丁寧にレクチャーいたしますので、ぜひご参加ください。




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