「月刊アナログゲーム情報誌「Role & Roll」Vol.109掲載「『エクリプス・フェイズ』リプレイ 月の熾天使~マーズ・サイクラーの帰還~」(第3回)

文:朱鷺田祐介 協力:『エクリプス・フェイズ』翻訳チーム



 岡和田晃

 「Role & Roll」(アークライト/新紀元社)は、会話型ロールプレイングゲーム(テーブルトークRPG、TRPG)やボードゲームの記事を中心に扱ったアナログゲーム(電源を使わないゲーム)の月刊情報誌です。毎号さまざまなタイトルが紹介&サポートされていますが、「Role & Roll」Vol.109には、『エクリプス・フェイズ』のリプレイ・シリーズ「月の熾天使~マーズ・サイクラーの帰還~」の第3回が掲載されています。

 「Role&Roll」Vol.106までは「エントリー・ミッション」と題し、『エクリプス・フェイズ』世界の入門、あるいはゲーム・ファンへ向けたSF入門を目指した記事が連載されていました。前号「Role&Roll」Vol.107からは、「リプレイ」の新シリーズ「月の熾天使~マーズ・サイクラーの帰還~」の連載が開始されています。

 ここで言うリプレイ(英語ではReplay-Novel)とは、いったい何でしょうか?
 リプレイとは、ロールプレイングゲーム(本記事の場合は『エクリプス・フェイズ』)を遊んでみた過程を録音し、文字に起こして読みやすく編集したもの。一種のドキュメンタリー・フィルムのようなものですね。
 参加プレイヤーと司会進行役のゲームマスターでストーリーが進められていくので、演劇や映画の脚本のようにト書きで進められています。
 ゲームならではの臨場感と双方向性が活かされた表現となっているリプレイという形式には、小説とはまた違った面白さがあり、新たな読者層の開拓に成功しています。
 なお、最初期に日本語で商業出版されたSF-RPGとして、「タクテクス」Vol.18(ホビージャパン、1984年)に掲載されたSF-RPG『トラベラー』のリプレイがあります。

 この「月の熾天使~マーズ・サイクラーの帰還~」は、「Role&Roll」Vol.88~91に掲載されたリプレイ「金星の人狼-Garou in the Venus-」の続編となっています。ただし、話そのものは「金星の人狼」から、独立しておりますので、今回から読み始めていただいて、まったく問題ありません。
 「SF Prologue Wave」の『エクリプス・フェイズ』シェアードワールド・シリーズをお愉しみの皆さまであれば、きっとご満足いただけるものと思います。

 月=ラグランジュ同盟の首都エラトーで進行する「ザ・プロジェクト」のテロに対抗しようとするセンティネルたち。
 だが、熾天使の会議に出席したルクサーヌの裏切りが露見してしまい、撃たれてしまう。

 プレイヤー・キャラクター(主人公)の一人であるルクサーヌの緊迫した状況から始まる今回は、「月の熾天使」のクライマックスが描かれます。
 一連のストーリーを締めくくる、スリリングな政治的駆け引き。
 そして、キャンペーン(連続したシナリオ)を締めくくるに相応しい、激しい戦闘の模様にご注目ください。

 他のRPGと同じように、『エクリプス・フェイズ』では、戦闘も、物語の重要なファクターとなっています。
 もちろん小説でも戦闘は起きますが、結果は、言ってしまえば作者の胸先三寸で決定される部分があります。一方、RPGの戦闘は、最後まで結果が読めません。ゲームマスターがある程度コントロールすることは可能ですが、ゲーム的な不確定要素を象徴するのが、戦闘という場面だという考え方もできます。
 『エクリプス・フェイズ』は、フォーク(分岐体)と呼ばれるコピーを製造することができますが、フォークが入り交じる複雑な戦闘模様を鮮やかに描き分けるハンドリング・テクニックには、ゲーム・ファン、SFファンのみならず、広く創作活動に関心がある方にとっても、参考になる部分は沢山あるでしょう。
 本リプレイを読み終えたなら、ぜひ「Role&Roll」Vol.95のシナリオ「マーズ・サイクラーの帰還」や、「SF Prologue Wave」に掲載された小説「マーズ・サイクラーの帰還」にも目を通してみてください。

 「SF Prologue Wave」の小説を読んだら、ぜひ、実際に『エクリプス・フェイズ』世界に飛び込んでみましょう!
 きっと、あなたのクリエイティヴィティが、さらに刺激されること、間違いありません。


※本シナリオにおいては、ロールプレイングゲームそのものの基本的な考え方については説明がなされていません。お手数ですが各種入門書やWebサイト等をご覧のうえ、ご参照いただけましたら幸いです。
 「Role&Roll Station」では『エクリプス・フェイズ』体験会が開催されています。参加費用は無料、SF初心者の方もゲーム初心者の方も、イチから丁寧にレクチャーいたしますので、ぜひご参加ください。




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