シンポジウム「辺境の想像力――現代文学における〈境界〉へのまなざし」




シンポジウム「辺境の想像力――現代文学における〈境界〉へのまなざし」
(『北の想像力〈北海道文学〉と〈北海道SF〉をめぐる思索の旅』(寿郎社)刊行を記念して行います。)

2014年5月24日(土) 14:00~16:30 (予定)

パネリスト:山城むつみ(文芸評論家、東海大学教授)、三輪太郎(作家・文芸評論家、東海大学准教授)、倉数茂(作家・文芸評論家、東海大学講師)、石和義之(SF評論家、東海大学講師)、岡和田晃(文芸評論家、ライター)、田中里尚(文化史研究者、文化学園大学准教授)、東條慎生(ライター)

会場:東海大学湘南キャンパス文学部14号館103教室(小田急線東海大学前駅より徒歩15分)http://www.u-tokai.ac.jp/about/campus/shonan/

予約不要・入場無料

お問合せ:こちら


【イベント概要】
 国家が単一の思想、同一の時間を作り上げようとするとき、それが自明のものとして受け取られず、軋轢と違和感を生み出す場所を「辺境」と呼ぶ。そして同時に、抗争する複数の国家の力によって、たえず引き裂かれていく場所をも「辺境」と呼ぶ。メインストリームとは異なる時間と空間が泡立つ場所の異名が「辺境」であり、そこには日常とは対立する時間(非常時)があり、中央と衝突する空間がある。現代文学のなかで「辺境」はどのように語られてきたのか? 「辺境」から発せられた文学は何か? そして現在の想像力にとって「辺境」はどこにあるのか? 「北海道」という場所にこだわることで、「辺境」文学の可能性を追求した大著『北の想像力 〈北海道文学〉と〈北海道SF〉をめぐる思索の旅』出版を記念して、東海大学でシンポジウムが行われます。現代文学とSFの垣根を越えて、批評家と作家がわたりあうさまをご期待ください!


〈参加者プロフィール〉

●山城むつみ(やましろ・むつみ)
1960年、大阪府生まれ。大阪外国語大学ロシア語学科卒業。文芸評論家。東海大学文学部文芸創作学科教授。1992年、「小林批評のクリティカル・ポイント」で第35回群像新人文学賞評論部門受賞。2010年、『ドストエフスキー』(講談社)で、第65回毎日出版文化賞を受賞。その他の著書に『文学のプログラム』(太田出版/講談社文芸文庫)、『転形期と思考』(講談社)、『連続する問題』(幻戯書房)がある。

●三輪太郎(みわ・たろう)
1962年、名古屋市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。作家・文芸評論家。東海大学文学部文芸創作学科准教授。1990年、「『豊饒の海』あるいは夢の折り返し点」で第33回群像新人文学賞評論部門受賞、2006年「ポル・ポトの掌」で日経小説大賞佳作受賞(『あなたの正しさと、ぼくのセツナさ』、講談社文庫)。その他の著書に『後生』(日本経済新聞社)、『マリアの選挙 政事小説』(徳間書店)、『死という鏡 この30年の日本文芸を読む』(講談社文庫)、『大黒島』(講談社)がある。

●倉数茂(くらかず・しげる)
1969年神戸市生まれ。東京大学総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。作家・評論家。東海大学文芸創作学科講師。著書に『黒揚羽の夏』(ポプラ社)、『始まりの母の国』(早川書房)、『私自身であろうとする衝動――関東大震災から大戦前夜における芸術運動とコミュニティ』(以文社)。『北の想像力』では、「北方幻想 戦後空間における〈北〉と〈南〉」を担当。

●石和義之(いしわ・よしゆき)
1962年東京都三鷹市生まれ。東海大学大学院修了。SF評論家。日本SF作家クラブ会員。「アシモフの二つの顔」で、第4回日本SF評論賞優秀賞を受賞(受賞作は「SFマガジン」早川書房、2009年6月号に掲載)。共著に『3・11の未来 日本・SF・創造力』(作品社)。『しずおかSF 異次元への扉』(財団法人静岡県文化財団)。評論作品に「氷原のアンティゴネ――『闇の左手』論」(「SFマガジン」2011年7月号、早川書房)、「実存のラスト・イグニッション――男祭りとしての『日本沈没』」(「小松左京マガジン」第41巻、角川春樹事務所)、「空気と実存」(「季刊メタポゾン」第8号、寿郎社)など。『北の想像力』では、「北と垂直をめぐって――吉田一穂」および「伊福部昭『SF交響ファンタジー』」を担当。

●岡和田晃(おかわだ・あきら)
1981年北海道空知郡上富良野町生まれ、早稲田大学第一文学部卒業。評論家、ライター。日本SF作家クラブ会員。「「世界内戦」とわずかな希望――伊藤計劃『虐殺器官』へ向き合うために」で第5回日本SF評論賞優秀賞受賞。著書に『「世界内戦」とわずかな希望 伊藤計劃・SF・現代文学』(アトリエサード/書苑新社)、共著に『しずおかSF 異次元への扉』(財団法人静岡県文化財団)など多数。編著に『向井豊昭傑作集 飛ぶくしゃみ』(未來社)。翻訳書に『H・P・ラヴクラフト大事典』(共訳、エンターブレイン)など。ゲームライティングの仕事も多数あり、著書にリプレイ小説『アゲインスト・ジェノサイド』(新紀元社)。『北の想像力』では、主に統括と編集を担当。

●田中里尚(たなか・のりなお)
1974年生まれ、立教大学大学院文学研究科比較文明学専攻博士後期課程修了。博士(比較文明学)。博士論文「『主婦之友』と戦後女性イメージの創出:変容する洋装関連記事の分析を通じて」(2007)。専攻は日本近代史、メディア論、ファッション論。現在は、文化学園大学服装学部服装社会学科准教授(服装史学)。論考として「ファッション・ブランドと堤清二」(『ユリイカ』No.640、vol.46-2 2014-2)など。共監訳書に『循環するファッション 新しいデザインへの挑戦』(文化出版局)。『北の想像力』では「迷宮としての北海道―――安部公房『榎本武揚』から清水博子『ぐずべり』へ」を担当。

●東條慎生(とうじょう・しんせい)
1981年生まれ、和光大学表現学部卒。ライター。ウェブ上で「後藤明生レビュー」や本書編者の岡和田と共同で「向井豊昭アーカイブ」を運営・公開している(いずれも下記「幻視社」ウェブサイト内)。向井豊昭特集、イスマイル・カダレと〈東欧の想像力〉特集、〈想像力の文学〉特集といった企画を行ってきた文芸同人誌「幻視社」代表。パロル舎の雑誌「ぱろる」12号に創作童話「ゆうやけ」、すばる舎『熱い書評から親しむ感動の名著』にニコルソン・ベイカー『中二階』の書評がある。『北の想像力』では、「裏切り者と英雄のテーマ――鶴田知也「コシャマイン記」とその前後」を担当し、同論に基づいた講義を2013年11月の「SF乱学講座」(市民講座)で行ない、好評を博した。
http://d.hatena.ne.jp/CloseToTheWall/
http://www.geocities.jp/gensisha/


【書籍紹介】

『北の想像力 《北海道文学》と《北海道SF》をめぐる思索の旅』
文芸評論家・岡和田晃 編
A5判上製 768頁(予定)……予価:本体7000円+税
2014年5月刊行予定
総原稿枚数2000枚!

序論 「北の想像力」の可能性(50枚)
第一部 「北の想像力」という空間
 田中里尚「迷宮としての北海道―――安部公房『榎本武揚』から清水博子『ぐずべり』へ」(95枚)
 宮野由梨香「「氷原」の彼方へ――『太陽の王子 ホルスの大冒険』『海燕』『自我系の暗黒めぐる銀河の魚』」(96枚)
 倉数茂「北方幻想 戦後空間における〈北〉と〈南〉」(55枚)
 石和義之「北と垂直をめぐって――吉田一穂」(94枚)
第二部 「北の想像力」とSF史
 巽孝之×小谷真理×松本寛大×増田まもる×岡和田晃「第五十一回日本SF大会Varicon2012「北海道SF大全」パネル再録」(90枚)
 三浦祐嗣「北海道SFファンダム史序論」(74枚)
 藤元登四郎×岡和田晃「荒巻義雄の謎――二〇一三年の証言から」(57枚)
第三部 「北の想像力」と科学
 渡邊利道「小説製造機械が紡ぐ数学的《構造》の夢について――北海道SFとしての円城塔試論」(88枚)
 礒部剛喜「わが赴くは北の大地――北海道SFとしての山田正紀の再読」(56枚)
 高槻真樹「病というファースト・コンタクト――石黒達昌「人喰い病」論」(64枚)
第四部 「北の想像力」と幻想
 忍澤勉「心優しき叛逆者たち――佐々木譲を貫く軸の位置」(90枚)
 松本寛大「朝松健『肝盗村鬼譚』論――「窓」の向こう側の世界」(118枚)
 丹菊逸治「SFあるいは幻想文学としてのアイヌ口承文学」(68枚)
第五部 「北の想像力」とリアリズム
 東條慎生「裏切り者と英雄のテーマ――鶴田知也「コシャマイン記」とその前後」(100枚)
 横道仁志「武田泰淳『ひかりごけ』の罪の論理」(151枚)
 岡和田晃「辺境という発火源――向井豊昭と新冠御料牧場」(153枚)
第六部 「北の想像力」と海外/メディア
 橋本輝幸「キャサリン・M・ヴァレンテ「静かに、そして迅速に」」(15枚)
 藤元登四郎「フィリップ・K・ディック『いたずらの問題』」(35枚)
 岡和田晃「川又千秋「魚」」(31枚)
 渡邊利道「侯孝賢『ミレニアム・マンボ』」(15枚)
 石和義之「伊福部昭『SF交響ファンタジー』」(20枚)
第七部 「北の想像力」を俯瞰する
 北の想像力を考えるためのブックガイド(170作品)
 北の想像力の地図
 索引