「usaginingen――寓話としての生」関 竜司

(PDFバージョン:usaginingen_sekiryuuji
 usaginingenは、2010年から活動を続けている映像・音楽パフォーマンス・ユニットだ。2014年にはReykjavik Visual Music Punto y Raya Festival (アイスランド)のライブシネマ部門でグランプリを受賞している。
 昨年まではベルリンで活動していたが、現在は岡山と香川の中間にうかぶアートの島、豊島(てしま)に活動の拠点を移している。
 映像担当の平井絵美が、デュシャンの「独身者たち」を思わせる奇妙な機械(TA-CO)に乗って映像を流す。それに合わせて音楽担当の平井伸一が、ドラムにツリーチャイムやシンセサイザーを組み合わせた奇怪な楽器(SHIBAKI)で音をつける。
 私が見たのは《Birth》という作品だった。アイスランドでインスピレーションを得た作品という。
 天空から生命の源が落ちてきて、地上に広がり、多様な生がはぐくまれた。そんなストーリーの作品だった(と思う)。
 このユニットはユニット名が、usagi(ウサギ)+ningen(人間)であるように、人間と動物の生を同じレベルのものとみなすことで、生そのものの豊かさを再発見しようとしている。ルイス・キャロルが人間と動物が対話する「寓話」によって、多様な子どもの世界を再発見したようにだ。そこには人間と動物、人間と自然、アナログなものとデジタルなものとの対話・共存・共生というテーマも含まれる。
 生というテーマを扱いながら寓話性を取り入れることで、ある種の軽さと理解のしやすさを鑑賞者に提供する。それがusaginingenだ。
 usaginingenは2016年10月19日(水)に愛知県芸術劇場(小ホール)で公演をおこなう予定になっている。関心をもたれた方は寄られたい。

(2016・8・15)

(リンク)
usaginingen(パフォーマンス)


公式サイト
http://usaginingen.com/ja/



関竜司プロフィール


関竜司 参加作品
『しずおかの文化新書9
しずおかSF 異次元への扉
~SF作品に見る魅惑の静岡県~』