カテゴリー: インタビュー

「『あるべきシンギュラリティ論』 さかき漣―山口優 対談(1)」山口優

(PDFバージョン:arubekisingularity01_ymagutiyuu
2017年3月某日 渋谷のカフェにて

【本対談の経緯と構成】
 昨年10月、さかき漣著「エクサスケールの少女」が刊行された。「エクサスケールの少女」は、シンギュラリティをテーマとした小説である。シンギュラリティ(正確には、『テクノロジカル・シンギュラリティ』即ち『技術的特異点』)とは、人工知能技術やナノテクノロジー、遺伝子技術等の急速な発展により、将来の技術発展の速度と方向性が現在の人間には合理的に予測できなくなる将来のある時期を示す、技術史における概念である。この概念をテーマとした『エクサスケールの少女』は、最先端の科学技術を取り扱う一方、シンギュラリティにおいて重要となる問いである、『人間の本質とは何か』を原初の時代から問い直すために、神話をもそのテーマに含んでいた。
 一方、シンギュラリティと神話というテーマは、2010年11月に刊行された山口優の『シンギュラリティ・コンクェスト』にも共通するものである。同じテーマで本を書き、互いの興味や関心が共通することから、さかき漣と山口優は互いに連絡を取り合い、対談が実現した。
 対談は主に4つの部分から成る。(1)さかき漣から山口優への『シンギュラリティ・コンクェスト』に関するコメント、(2)山口優からさかき漣への『エクサスケールの少女』に関するコメント、(3)互いの小説の好きなシーン、そして、(4)あるべきシンギュラリティについて、である。
 本稿では、このうち、(1)の部分について掲載する。

【対談(1)】
山口:本日はお会いできて光栄です。どうぞよろしくお願いいたします。

さかき:よろしくお願いいたします。早速ですが、『シンギュラリティ・コンクェスト』、面白かったです。やはり、さすが理系だなあと。AIやシンギュラリティがからむ、研究者の方々が懸念している問題点が網羅されていて。理系的な観点からの解決策を提示するため、理論を構築する、というのが主軸になっている小説だと思います。その観点からは、私の『エクサスケールの少女』と対極にあるなあって。

「SFと音楽と映像・門倉純一インタビュー」聞き手:宮野由梨香 ゲスト:狩野あざみ、増田まもる

(PDFバージョン:interview_kadokurajyunniti
 門倉純一さまと言えば、「SFと音楽と映像」の第一人者。日本初のSF映画ファンの同人誌「モノリス」(SF映画ともの会)に関係し、「SF音コン」を主催し、また、NHKの「ラジオSFコーナー」のメインパーソナリティもつとめられた方です。
 そのご邸宅には、すごい設備のホームシアターと、SFコレクションがあるという噂です! その門倉純一さま宅を、増田まもるさま(翻訳家・日本SF作家クラブ事務局長)がご訪問なさるという話を、私・宮野由梨香が聞きつけました。「いいなぁ、いいなぁ」とうらやましがったところ、なんと「よかったらご一緒に」とおっしゃっていただけました。わ~い♪ 更にずうずうしく、「せっかくなので、お話を記事としてまとめさせて下さい」とお願いしたところ、快諾していただきました。ありがとうございます!


門倉純一さま(手にされているのは、ハレー彗星のぬいぐるみです)

「江坂遊、田丸雅智とショートショートを語り合う」江坂遊

(PDFバージョン:shortshortwokatariau_esakayuu
―――ショートショートでしかできないことは何だろうと、よく考えます。

このインタビューは樹立社から刊行予定の「小さな物語のつくり方2」第二章のショートショートヴァージョンです。ロングロングヴァージョンは単行本でぜひともお楽しみください。(江坂遊)


江坂「田丸さんと出会えて本当に良かったなと思います。わたしは星さんに見つけていただきましたが、その恩返しを十分にできていませんからね。そこに継承者が現われたのですから嬉しくて仕方がない。だいたい、二代目はダメで没落させてしまい、三代目でしっかりした継承者が出て、政権は確立するものですから。(笑)チャンスですね。わたしは大阪で太平の夢を見過ぎてしまいました。現在は東京に住まわれているのですよね、・・・・・・。」

田丸「出身は愛媛県ですが、大学からは東京住まいです。拙作「海酒」(樹立社ショートショートコンテスト一等星受賞作品)に出てくる「三津」という地名は、故郷の名前から取りました。」

「『現代作家ガイド6 カート・ヴォネガット』(彩流社)YOUCHAN氏・巽孝之氏・増田まもる氏インタビュー」聞き手宮野由梨香・岡和田晃

(PDFバージョン:interview_genndaisakkagaido6


現代作家ガイド6 カート・ヴォネガット

 YOUCHAN氏と言えば、SF Prologue Waveを彩る画像でもおなじみのイラストレーターである。熱心なヴォネガット・ファンである彼女は、SF批評家の巽孝之氏の監修のもとにヴォネガットのガイドブックを編集し、2012年9月に刊行した。(名義はペンネーム「YOUCHAN」と本名の「伊藤優子」とが併記の形になっている。)
 イラストレーターが、どんな思いを込めてヴォネガットのガイドブックを編集したのか? 監修者の巽孝之氏、ヴォネガットの伝記のレビューを担当した翻訳家の増田まもる氏も交えて、お話を伺った。
                           (宮野由梨香・岡和田晃)

「木立嶺インタビュー」聞き手・高槻真樹

(PDFバージョン:interview_kodatiryou


――今回初めての単行本となりました。待ち焦がれた読者も多かったと思います。

木立「皆さんご存知の通り、僕の受賞作だけ単行本が出なかったので気にされる方もおられるかもしれません。ただ、それは受賞作がやばすぎて出版できないとかそういうわけではなくて、どちらかというと不幸なめぐり合わせの結果でして。僕も編集者さんもぜんぜんあきらめていませんので、どうか応援のほどよろしくお願いします」

――普通の受賞者と違ってスタートラインが変わってしまいましたものね。

木立「そうですね。結局、商業誌デビュー作となったのはそのしばらく後の歴史改変ものというべき『馬と馬車』ですからね。これまた全然方向性が違う。あの時は短編未経験でしたからゼロから考えることになりまして、『日本の近世に馬車がなかったのは何故だろう』という疑問から芋蔓式に話を作っていったわけです。最初の方にだけあった『新青年』風の文体で全編を押し切ろうと提案してくれたのは編集さんです。だからゴシックロマンスもスチームパンクも意図したものではなく、書いた後で気がついた。歴史にも興味があったわけではないんですが、縁があったジャンルはなるべく読もうと思い定めまして。その後最近になって『物語のルミナリエ』の方に書かせていただいた『僕の遺構と彼女のご意向』も、以前読んだ奈良・平安期の古代官道についての本がベースになっています。読んだ本から引っかかったものを足がかりに話を紡いでいくというのが割とスタイルになってきましたね。砂場で砂をかき集めていくうちにだんだん形を思いついて作っていく、という感じです」

「三島浩司インタビュー」高槻真樹

(PDFバージョン:interview_misimakouji


――このたびは「ダイナミックフィギュア」の「SFが読みたい!」3位おめでとうございます。

三島「…まだ見てないけど(笑)これから買いに行きますよ」

――ロボットSF小説というのもありそうでなかった気がします。これはやはりご専門(電気)ということでしょうか?

三島「いや、あまり関係ないと思いますよ。むしろ僕みたいに精通していない人間の方が一から世界が作れるんじゃないかと思います。ロボットSFって、最近はあまり新しいものがないなあと感じていて自分に何かできないかと考えたわけです」

「片理誠インタビュー」聞き手――高槻真樹・宮野由梨香

(PDFバージョン:interview_hennrimakoto


――まず、最新作『Type:STEELY』 (幻狼ファンタジアノベルス) について伺わせて下さい。上巻と下巻の2分冊なんですよね?

片理「はい。既に両方とも発売されています」

――もう、一気に読んでしまいましたよ~。すごく面白いです。推進力がありますね。長いのに、長さを感じさせないという感じです。

片理「ありがとうございます」

「八杉将司『光を忘れた星で』インタビュー」聞き手・高槻真樹

(PDFバージョン:interview_yasugimasayosi


「光を忘れた星で」
八杉将司著
講談社BOX
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=283765X

――八杉さん待望の新作ということで、事前に「こんな話なんだよ」とうかがってはいたんですが、予想とぜんぜん違って大変びっくりしました

八杉「えっ、そうだったんですか」

――全人類の目が見えなくなる小説なんだよ、ということでしたよね。ジョン・ヴァーリイの「残像」とかH・G・ウェルズの「盲人の国」みたいな感じかなと思っていたところ、全っ然そうではなかったという。

「日本SF作家クラブ発祥の地:山珍居インタビュー」宮野由梨香・増田まもる、YOUCHAN(イラスト・写真)

(PDFバージョン:interview_sanntinnkyo

[※結局、写真は後日、YOUCHAN 夫に撮り直してもらいました。( Photo by 伊藤のりゆき )]
 
 新宿の台湾料理店「山珍居」といえば、日本SF作家クラブ発祥の地として名高い。1963(昭和38)年3月5日に、ここで日本SF作家クラブの「発足準備会」が行われた。その様子は『星新一 1001話をつくった人』(最相葉月・新潮社・2007年)でも紹介されている。
 新しいものを創り出そうとする第一世代SF作家たちの熱気を支えたのは、この場所の美味しい料理と酒と、ご主人の人柄と、そこに集う人々の醸し出す雰囲気だった。

「上田早夕里『華竜の宮』インタビュー」聞き手・高槻真樹

(PDFバージョン:interview_uedasayuri


「華竜の宮」
上田早夕里著
ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/124653.html

――「華竜の宮」に関しては傑作という評価は定まっている気がするので、既に聞かれている部分はすっ飛ばして、皆さんの知りたいであろうことに直接行きます。というわけでずばり聞きます。短編版の「魚舟・獣舟」は衝撃でした。あれを長編化するのか、と皆さん楽しみにしていたと思うんですが、実際に出てきた長編は「…魚舟どこ?」ですね

上田「これは過去に何度も言ってるんですが、あれは発表のあてのない長編の構想が先にあって、もう発表の機会がないんじゃないかと思っていたので、たまたま頂いた短編の仕事(異形コレクション)の中で生かしたんですよ。だから、まずは一番印象に残る部分を切り取って見せているわけで、それを長編で繰り返しても仕方ないじゃないですか」

「辻真先インタビュー」宮野由梨香・井上剛

(PDFバージョン:interview_tujimasaki
「はじめまして。……さっそくですが、インタビューをお願いできますでしょうか?」
 日本SF作家クラブの総会で、この「公式ネットマガジンPW」の創刊が承認された時のことだ。会議が終わるやいなや、私・宮野は向かい側の席にいらっしゃった辻真先先生のもとへ走った。1961年生まれの宮野にとって「辻真先」は神様のひとりである。辻先生はその場で手帳をお開きになって、日時の設定をして下さった。
「しかし、辻先生のお仕事は膨大ですから、何かテーマを考える必要がありますね」
「では、初期のSFをめぐる状況について、話しましょうか」