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「異境の水都 突変世界」森岡浩之


  書名: 『異境の水都 突変世界』
  著者: 森岡 浩之
 出版社: 徳間書店
 ISBN-10: 4198941807
 ISBN-13: 978-4198941802
 発売日: 2016/12/2


 本作は『突変』と世界を同一にするが、続編ではない。
 時系列的には、『突変』の前になる。
 したがって、『突変』の未読は、『異境の水都』のストーリーを理解する妨げとはならないはずだ。作者としてはむしろ、今作のほうを先に読んでいただきたいほどである。

 もともと、この世界を思いついたとき、並行していろいろなストーリーが浮かんだ。
 美しくもグロテスクな怪物と戦う秘境探検ものとか、散弾銃を抱えたサラリーマンが天下人を目指す話とか、秘密の使命を帯びて都市を巡業する少女演劇団の話とか。
 ただでさえ遅筆なのに、そんなキャパシティが自分にあるのか大いに疑問である。
《星界》も書かにゃならんし、ほかにもいくつか書きたいものがあるのだ。
 しかし、ある夜、奇跡が起こって筆が速くなるかもしれないし、人工知能による執筆支援システムが開発されるかもしれない。
 なにより、VRへの人格アップロードが実現されるまで生きて、永遠にちょいと欠ける程度の老後を過ごす予定なので、わたしはけっこう楽観的だ。もっとも、VRにわたしの読者がいるかは不明だが、自己満足の暇つぶしにはなる。

『異境の水都』は3部作の第1作である。
 仮に付けたタイトルを列挙すると、以下のようになる。

「小松左京さんと日本沈没 秘書物語」乙部順子




 書名:『小松左京さんと日本沈没 秘書物語』
 著者:乙部順子
 単行本(ソフトカバー): 218ページ
 出版社: 産経新聞出版 (2016/11/10)
 ISBN-10: 4819112937
 ISBN-13: 978-4819112932
 発売日: 2016/11/10


「内容紹介」

 小松さんは
 日本列島に恋していた!

 没後5年、日本SF界の巨匠が最後に残したのは希望のメッセージ。
 34年にわたり、ともに仕事をした女性秘書が初めて語る人間・小松左京

【主な内容】
   ■宇宙へ旅立った「私のボス」―はじめに
   ■第1章 日本列島に恋していた
   ■第2章 未来を見通す「前向き思考」
   ■第3章 お酒と冗談が生みだした「知」
   ■第4章 人間でいることのおもしろさ
   ■第5章 最後まで「人間を信じたい」

 未来を、人間をあきらめなかった人

「ミューズ叢書<3> 町井登志夫インタビュー 特集:『爆撃聖徳太子』」町井登志夫、上田早夕里


 書名:ミューズ叢書<3> 町井登志夫インタビュー 特集:『爆撃聖徳太子』
 著者:町井登志夫, 上田早夕里
出版社:BCCKS Distribution
出版日:2016年10月1日
 ASIN:B01LY2SF8V
 定価:電子本 200円(税別)
    紙本(新書サイズ 50P) 520円(税別)


 町井登志夫氏の古代史小説『爆撃聖徳太子』(PHP文芸文庫)をテーマに、長文インタビューを行った本を発刊しました。

「夢みる葦笛」上田早夕里




書名 :『夢みる葦笛』
著者 :上田早夕里
出版社:光文社
出版日:2016年9月15日
価格 :1500円(税別)
ISBN-10: 4334911218
ISBN-13: 978-4334911218


 個人短篇集です。
 ジャンルSFの書籍ですが、今回は、四六版ハードカバーでの発刊という僥倖に恵まれました。
 2009年から2015年にかけて、ホラーやSFのアンソロジーや文芸雑誌などに掲載された作品9本+未発表作品1本、合計10本が収録されています。
 古い作品に関しては、今回の収録に際して文章や構成などを大きく変えました。幻想的な作品から宇宙を舞台にしたSFまで、さまざまな趣向の作品が収録されています。
 カバー表紙画は山本ゆり繪さん。既刊のカバー表紙画や雑誌掲載時の挿絵などで、何度もお世話になっている方です。収録作は下記をご参照下さい。

「『ミスティックフロー・オンライン』第1話 冒険探偵(1)」片理誠


書名   :『ミスティックフロー・オンライン』第1話 冒険探偵(1)
作・絵  : 片理誠
出版社  : 小学館
出版日  : 2016/7/15
値段   : 200円 + 税
ASIN   : B01I17N6BS
      (Amazon Kindle版)

 小学館eBooksの「夢幻∞シリーズ」にて、『ミスティックフロー・オンライン』という作品を始めさせていただきました! 各電子書籍サイトでは試し読みも可能になっております! (特に「BookLive」さんでは、試し読みのボタンをクリックするだけで、登録作業や特別なアプリなしでも、お試し版をサクッと読めます♪ 「BookLive」のページはこちら

『ミスティックフロー・オンライン』の一番の特徴は、「小説を書いている本人が、イラストも描いている」というところなのかもしれません。「作・絵/片理誠」となっておりますように、どちらも私がやっております(汗)。こういうケースは今までもなかったわけではありませんが、それでも割と珍しい試みではあるかと。

 同一人物が手がけておりますので、コラボならではの妙味のようなものはないのかもしれませんが(汗)、その代わりに、作り手のイメージをストレートにお伝えできるのではないか、と考えております。良い方の面を出せると良いなぁと、期待しております(;^-^ゞ

 更に、電子書籍ならではのメリットの一つに「挿絵をカラーにできる」というのがありますので、この良さも是非引き出していきたいところです! せっかくの電書なわけですんで、紙媒体ではできないことにチャレンジしていきたいですよね!

 拙作『ミスティックフロー・オンライン』の概要は、以下のとおりです。

『E・A・ポー』中里友香(翻訳)



・『E・A・ポー』
  集英社ポケットマスターピース09(集英社文庫)
  ヘリテージシリーズ
・ エドガー・アラン・ポー (著)
  鴻巣 友季子 (編集/翻訳), 桜庭 一樹 (編集/翻案)
  池末 陽子 (翻訳), 丸谷 才一 (翻訳)
  日夏 耿之介 (翻訳), 巽 孝之 (翻訳)
  中里 友香 (翻訳)
・ 2016年6月23日刊行
・ 1404円(税込)

 エドガー・アラン・ポーの集大成となる翻訳本。集英社のポケットマスターピース09『E・A・ポー』。わたくし中里友香も、ポーの代表作である詩『大鴉』と、短編『告げ口心臓』を翻訳しています。

 全部で次のような新旧訳者の作品という豪華ラインナップ。



 解説やエドガー・アラン・ポーの年譜なども含め、総ページ832頁にものぼる密度の濃い文庫本です。

「『展覧会の絵』Kindle版」森山安雄



書名 :「展覧会の絵」Kindle版
作者名: 森山安雄
出版社: 幻想迷宮書店
出版日: 2016/3/11
ASIN : B01C55BCFO
値段 : 400円

・1987年に東京創元社より出版された異色のゲームブック作品。主人公は剣と魔法を操るヒーローではなく、琴を持った「楽師」。そして、物語の舞台となるのはロシアの作曲家、ムソルグスキーによって書かれたピアノ曲「展覧会の絵」の世界そのものだ。独特の切り口で語られる吟遊詩人の冒険は、深い慈しみに満ちている。ムソルグスキーが10枚の絵を音楽で表現したように、著者は文字で表現し、読者の判断により展開が変化するゲームブックという器に落とし込んだ。2002年に創土社より復刊、2012年にはフェイスより、iOSデバイス用、Android用アプリとしてリリースされた(アプリは配信終了)。

「文庫版『深紅の碑文』上・下」上田早夕里




書名:文庫版『深紅の碑文』上・下
著者:上田早夕里
出版社:ハヤカワ文庫(早川書房)

(上巻):920円(税別)
ISBN-10: 4150312176
ISBN-13: 978-4150312176

(下巻):920円(税別)
ISBN-10: 4150312184
ISBN-13: 978-4150312183

*電子版も有り。


 2013年12月末にJコレクションから出た作品が文庫化されました。

『華竜の宮』『リリエンタールの末裔』に引き続き、本作においても読者の皆様から多数のご声援を頂き、おかげさまで正式に、この先もシリーズを展開できることとなりました。「オーシャンクロニクル・シリーズ」全体の構想は既にできあがっており、長編パートは、この『深紅の碑文』が最後となります。ここから先は、短編・中編を積み上げていく形式になります。今後とも、よろしくお願い致します。

「ミューズ叢書 特集『妖怪探偵・百目』対談&インタビュー」上田早夕里、八杉将司




書名:ミューズ叢書<1> 特集『妖怪探偵・百目』対談&インタビュー
著者:上田早夕里, 八杉将司
出版社:BCCKS Distribution
出版日:2016年1月20日
ASIN: B01AXOM14K
定価:電子本 400円(税別)
   紙本(新書サイズ 130P) 910円(税別)


 いつもとは違う形式で本を出版しました。上田の著作権管理を行っている事務所(OFFICE 222)が企画・発刊した「対談&インタビュー」の本です。
 昨年11月に完結した「妖怪探偵・百目」シリーズを巡って、SF作家の八杉将司さんと対談を行い、その記録をまとめたものです。五時間に及ぶ長時間の対談から、重要な部分を活字化しました。作品本編と併せて読んで頂くと、いろいろと楽しめます。シリーズを最後まで読んで下さった方々への、ささやかな贈り物です。
 巻末には、八杉さんへの単独インタビューも掲載しました。

「『黒十字サナトリウム』キンドル版」中里友香



† 黒十字サナトリウム(電子書籍リーダー版: Kindle, 楽天Kobo, 紀伊国屋Kinoppyほか)
† 中里友香
† 2015年12月14日刊行
† 972円(税込)

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 ……甘美な幸福とはこのことだったのか。
 肉体と精神とを仲立ちしている知覚がちぎれて、放たれていく刹那の残像と余韻――その先にある淵のふかみだ。


 黒十字サナトリウムの患者は、誰しも自分を吸血鬼だと思いこんでいる。

「救いの神がいるのか私は知らない。私は天国に居ないのだから。地獄にも落ちていないから、裁きの神がいるのかもわからない。でも神の法からは逃れられない。私が吸血鬼として甦っているのだから」

 春の夜明けにむかって説き明かされていく療養所の秘密とは――。
 第9回日本SF新人賞受賞作、絶版となっていたゴシック幻想奇譚が今よみがえる。

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 紙媒体で絶版となっていた『黒十字サナトリウム』がアマゾン・キンドルで登場です。
 徳間書店からではなく、クリーク・アンド・リバー社の電子書籍に特化した部門から販売となります。
 クリーク・アンド・リバー社が声をかけてくださり、徳間書店に快諾をもらって、キンドル化が叶いました。

「映画探偵 失われた戦前日本映画を捜して」高槻真樹



    * 書籍名:『映画探偵 失われた戦前日本映画を捜して』
    * 著者:高槻真樹
    * 出版社:河出書房新社
    * 発売日:2015年12月1日
    * 判型/ページ数:四六判/272ページ
    * 価格:本体2500円+税
    * ISBNコード:978-4-309-27660-1


【作品説明】

 戦前に作られた日本映画は10%しか残っていない! だが映画は複製芸術。どこかに残されているかもしれないフィルムを求めて、探し歩く人々がいる。そんな「映画探偵」たちの世界を描いた初めてのドキュメント。国立・公立の機関はもちろんのこと、私設のアーカイブや大学研究者、さらには活動弁士やコレクターまで……。
 映画はどのようにして探し出され、どのようにしてタイトルを特定され、どのように修復されるのか。その過程のすべてに魅力的な「謎」と「謎解き」が存在する。発見される映画は名作だけではないが、長い時を経て再び日の目を見た怪作群が逆に驚きを呼ぶ。8分間で超高速で語られる皿屋敷怪談「播州皿屋敷」や、蛸壺を逃げ出し一路海を目指すタコの逃避行を描いた「海魔陸を行く」は、SFファンの関心を引かずにおかないだろう。

「ウォーハンマーRPG」待兼音二郎





酸鼻と迷妄の阿鼻叫喚世界で、泥土にきらめく黄金をつかみ取れ
――『ウォーハンマーRPG』

待兼音二郎

「21世紀の精神異常者スキッツォイド・マン」――プログレッシヴ・ロック愛好家が長年慣れ親しんだキング・クリムゾンの代表作に、こんな奇天烈なタイトル改変がなされたのはいったいいつのことだろう? 精神がいびつにねじくれた男の心象風景を楽器で描き出したかのようなあの曲の原題に込められた意図を日本のリスナーに伝えるべく工夫された邦題をなかったことにし、聞き覚えのないカタカナ語に塗り替えることに何の意味があるのか? いったい何に怯えて、かくも過剰な表現規制をするのか?

「『妖怪探偵・百目』(3) 百鬼の楽師」上田早夕里




書名  :『妖怪探偵・百目』(3) 百鬼の楽師
著者  : 上田早夕里
ISBN-10: 4334769950
ISBN-13: 978-4334769956
定価  : 640円(税別)
出版社 : 光文社(光文社文庫)
出版日 : 2015年11月11日
     ※電子版も同月内に発売予定。


 百目シリーズの第三巻(最終巻)です。タイトルに “探偵” とありますが、推理小説(ミステリ)ではありません。妖怪ファンタジー小説です。第二巻、第三巻の冒頭部分は Web光文社文庫(下記URL)で立ち読みできます。
 http://www.kobunsha.com/special/bunko/serial/

 長く続けてきたシリーズが、ついに完結しました。
 この巻では、7年前に執筆した最初のエピソード「真朱の街」で生じた幾つかの問いに対して、その答えを最後に置いています。

「〈物語る脳〉の世界 ドゥルーズ/ガタリのスキゾ分析から荒巻義雄を読む」藤元登四郎



藤元登四郎(著)
岡和田晃(解説)
寿郎社(web siteFacebook
ISBN:978-4-902269-80-2 C0095
刊行日:2015年10月15日
2500円

藤元登四郎氏による内容紹介:
 フランスの哲学者ドゥルーズと精神分析学者ガタリは、共著『アンチ・オイディプス 資本主義と分裂症』で、スキゾ分析(分裂分析)を提唱し、エディプス概念に支配されている資本主義を脱領土化しようと試みた。スキゾ分析は、エディプスに抑圧された欲望を解放して、人間本来の自由を取り戻すための実践である。なおスキゾ分析でいう欲望とは欠如に由来するのではなく、接続によって生産されるものである。
 スキゾ分析の方法は、作品の執筆された時代、すなわち地層の中におけるその位置を検討するとともに、作品そのものの中に既成概念を転覆する箇所や接続した欲望を見出し、スキゾ世界(分裂した世界)を生産する。
 本書でスキゾ分析をした作品はすべて、巽孝之・三浦裕嗣(編集委員)『定本荒巻義雄メタSF全集』(彩流社)に掲載されている。荒巻義雄の初期作品は、現実的なものも幻想的なものも過去も未来も同一平面上で接続して、欲望の流れを形成している。その流れは根茎(リゾーム)状に分岐して辺縁へ向かって逃走する。本書によって、これまで謎に満ちていた荒巻文学がより身近で新鮮なものになるだろう。
 解説は、現在注目を浴びている新進評論家、岡和田晃の『SF・文学・現代思想を横断し「脱領土化」する平滑的な比較精神史』であるが、本書を背景から照らしだし眩しい輝きで包んでいる。

「みがかヌかがみ」中里友香



● みがかヌかがみ(単行本)
○ 中里友香
● 講談社/422ページ
○ 2015年11月10日刊行
● ISBN:978-4062197830
○ 1836円・税込(税別価格1700円)

●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○

 大正時代、五月。
 月里見紗葵子(やまなし・さきこ)は茶道の名家を訪れる。家の名は天女目(なばため)姫の命で掘られた井戸を守り、姫の言い伝えとともに継承する一族――青天目家(なばため)家。
 昔、この地に井戸をもたらしたという、年端もゆかぬ天女目姫。聡明で峻烈な姫は、干ばつで苦しむ民衆に生贄を禁じ、かわりに井戸掘りを命じる。工事は難航し、民の怒りを受けて、姫は井戸の完成を条件に、人柱として命を絶たれる。

 死に堕ちた者が行き着く不来方(こずかた)で、雨夜城(あまよ・きずき)が目を覚ましていた。自らの記憶と引きかえに刀を入手した彼は、死なせてしまった美しき天女目姫の奪還と救済に身を賭して挑む。

 生者と亡者、二つの世界がいびつに交差する。
 巡り会い、別れ――比類なき因縁奇譚。

●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○

「カンパニュラの銀翼」中里友香



『カンパニュラの銀翼』(ハヤカワ文庫JA)

中里友香

早川書房/535ページ/2015年9月17日刊行

ISBN:9784150312039

1231円(税込)


☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆

☆第2回アガサ・クリスティー賞受賞作・文庫化

 1920年代後半の英国。
 エリオットには秘密があった。資産家の子息の替え玉として名門大学で学び、目が見えない「血のつながらぬ妹」のため、実の兄のふりをして通いつめている。
 そんなエリオットの元に、シグモンド・ヴェルティゴという見目麗しき一人の男が現れるが……。
 エレガントな悪徳。
 高貴な血に潜む、病んだ「真実」――デラシネの貴公子シグモンドと、歴代の謎が織りなす、ゴシック浪漫ミステリー。

☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆

「サーヴァント・ガール」山口優



【書名】「サーヴァント・ガール」
【作者名】山口優
【出版社】一迅社
【出版日】7月31日
【ISBNコード】 ISBN978-4-7580-4742-5
【値段】税抜き1300円

【キャッチコピー】
 心をもった機械少女。遥か異世界から主人(ドミナ)を求め来訪した強大な力を秘めた美少女――アリア。

【あらすじ】
 物理学を学ぶ大学院生・織笠静弦は岐阜県の地下につくられたダークマター観測施設で測定データに悩んでいた。通常ならあり得ない――超新星かと見紛うほどのデータが大量に得られたのだ。しかし超新星爆発の徴候はなく、測定器の故障とも思えなかった。ほどなく静弦の眼前に、ほぼ裸身の美しく幼い少女が現れる。少女はアリアと名乗り、他世界からやってきた機械奴隷で、自分の主人(ドミナ)となる人間を捜していると告げる。現代科学では実現不可能な現象を起こして見せるアリア。静弦は強大な力を持つこの少女を、悪意をもった人間の手に渡ることを恐れ、自らがドミナとなることを決意する――。

文芸誌『幻視社』岡和田晃・渡邊利道ほか

渡邊利道



 岡和田晃と渡邊利道が参加する文芸誌『幻視社』を紹介します。
 2004年創刊。以後1年から1年半おきのペースで主に秋に発行、現在八号を数える小説と批評の雑誌です。主宰の東條慎生は第35回日本SF大賞最終候補にノミネートされた『北の想像力』(岡和田晃編・寿郎社刊)にも論考が収録されている気鋭の文芸評論家。
 常連執筆者は他に、作家・作詞家・アーティスト・構成作家と多彩な分野で活躍し放送批評懇談会のギャラクシー賞CM部門選奨に入賞したエンドケイプ、04年に第二回あさよむ文学賞にて大賞と読者賞を受賞した小説家でライターの佐伯僚、精緻な読解で知られる「猟奇カニ人間地下道に出現」の人気ブロガー・ガザミ、柳沢新名義でアナログ作品の個展などを開く美術家の狩野若芽などです。
 短編小説の他、毎回特集を組んでレビューや文芸評論を掲載。
 評価の高かったものとしては「イスマイル・カダレと〈東欧の想像力〉を読む」(五号)、「〈想像力の文学〉を読む」(六号)、「国書刊行会〈未来の文学〉を読む」「没後十年・二階堂奥歯」(七号)などがあります。また2008年に逝去された作家、向井豊昭氏の追悼特集(四号)のあと、持続的にその遺稿を紹介し、論考を掲載しています。

 最新号の「八号」では、「熱/狂」というメインテーマでエンドケイプ、佐伯僚の短編小説競作。
 ハヤカワJコレクションで『始まりの母の国』を刊行されている作家・文芸評論家の倉数茂をゲスト執筆者に迎え、「〈フィクションのエル・ドラード〉と水声社の本」と、「中村うさぎを読む」の二大特集。前者は、コルタサルなどの叢書全レビューと、特別採録で岡和田晃による2012年2月5日に開催されたSF乱学講座「ジュノ・ディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』を深く味わう」を収録。後者では、長いキャリアを持つ作家について、導入となる鼎談から、通時的な代表作レビューと長篇エッセイ二篇で本格的に論じました。
 ほかに、五号から続く松籟社の叢書〈東欧の想像力〉のブックレビュー第三弾。さらに向井豊昭の未発表遺稿「骨の中のモノローグ」全文掲載と「向井豊昭アーカイヴ通信」。
 全126ページの読み応えたっぷりの文芸誌であります。

北海道新聞連載「現代北海道文学論 『北の想像力』の可能性」岡和田晃


〈北海道の上富良野町で開催されている「現代北海道文学論」と『北の想像力』をフィーチャーした作品展〉

 以前、SF Prologue Waveでも、空前絶後の大著『北の想像力 〈北海道文学〉と〈北海道SF〉をめぐる思索の旅』(寿郎社)についてご紹介させていただきました。
 幸いなことに、『北の想像力』は第35回日本SF大賞の最終候補、『SFが読みたい! 2015年版』の「ベストSF2014」国内編第8位、さらには第46回星雲賞の参考候補作になるなど、高くご評価をいただいて参りました。
 そこで、『北の想像力』のコンセプトを引き継いだ連載を、同書の執筆チームを中心に、適宜、ゲストを交えつつ、「北海道新聞」紙上で展開していくというのが、この「現代北海道文学論 『北の想像力』の可能性」となります。

 第1回は、岡和田晃が4月21日の「北海道新聞」夕刊に「『北方論』から惑星思考へ」を総論として寄稿いたしました。中野美代子の『北方論』の現代的意義から、ガヤトリ・スピヴァクや巽孝之の理論に基づく「惑星思考」という「他者」の探求を訴えかけ、また北海道文学から世界文学への転換点として、荒巻義雄『白き日旅立てば不死』等を紹介しました。

 第2回は、渡邊利道が5月21日の「北海道新聞」夕刊に「円城塔――事実と虚構を往還」を寄稿する予定です。円城塔が「文學界」に連載した異色の「私小説」である『プロローグ』の射程を、「北海道」という切り口から論じ、「SFマガジン」連載の『エピローグ』との繋がりを示唆し、メタフィクションをめぐる想像力のあり方について考察します。

 以後も、SFともリンクしたアクチュアルな連載になっていく予定ですので、どうぞご期待をいただけましたら幸いです。

「ゾンビ・アパート」飯野文彦



書名。『ゾンビ・アパート』
作者名。飯野文彦
出版社。河出書房新社
出版日。2015年5月19日
ISBN-10: 4309023800
ISBN-13: 978-4309023809
値段。予価2,052円(本体1,900円)

 ねえ、四号室の山本さんって、何者なの――アパート、寄席、夜の舞踏会、学校、脳内、喫茶店、裏路地、田舎……いつかあなたは「それ」に出会うモダン・ホラーの鬼才が描く、9つの恐怖!

 日下三蔵さんが選んでくださった九篇の短篇が収められています。
 タイトルとなっている『ゾンビ・アパート』は、実に三十年近く前、好きなように書かせていただいた実質上のデビュー作といってもいい作品です。
 書き下ろしもあります。ぜひ、お手にとってください!

「『妖怪探偵・百目』(2) 廃墟を満たす禍」上田早夕里



書名 :『妖怪探偵・百目』(2) 廃墟を満たす禍
著者 : 上田早夕里
出版社 : 光文社(光文社文庫)
出版日 : 2015年4月9日
ISBN-10: 4334768946
ISBN-13: 978-4334768942
定価  : 680円(税別)
     ※電子版も同月内に発売予定。


 百目シリーズの第二巻です。タイトルに “探偵” とありますが、推理小説(ミステリ)ではありません。妖怪小説です。第二巻の冒頭部分は Web光文社文庫(下記URL)で立ち読みできます。
http://www.kobunsha.com/special/bunko/serial/

「薫香のカナピウム」上田早夕里





書名:『薫香のカナピウム』
著者:上田早夕里
出版社:文藝春秋
出版日:2015年2月9日
ISBNコード:4163942068
定価:1500円(税別)
   ※電子版も同月内に発売。

「深川霊感三人娘」井上雅彦


(イラスト:加藤木 麻莉)

・書名 :『深川霊感三人娘』
・作者名:井上雅彦
・出版社:廣済堂出版(廣済堂モノノケ文庫)
・出版日:2015年1月16日
・ISBNコード:978-4-331-61625-3
・値段 :667円+税

・深川の悪は絶対許さない! 私たち三人娘がやっつけてあげる!――新ヒロイン誕生!(帯ママ)


・内容情報(廣済堂出版サイトより)
「のさばる悪をなんとするっ! 時は文政。江戸・深川に、巷で噂の三人娘がいた。特殊な体質で、闇夜を歩き、霊と会話する船宿の娘・お満。予知能力を持つ美剣士・お倫。そして、妖怪たちを斡旋するという、世にも不思議な口入れ屋の祖父に育てられた娘・お涼だ。それぞれ異なる〈ちから〉を合わせ、許せぬ悪に立ち向かう。愉快、痛快、ファンタスティックな妖怪時代劇。ここに開幕!」

劇場アニメ「楽園追放」ノベライズ 著:八杉将司

「楽園追放 ―Expelled from Paradise― 」ノベライズ


作:虚淵 玄(ニトロプラス)
著:八杉 将司
出版社:早川書房
刊行日:2014/10/17
ISBN:978-4-15-031171-1
価格:670円


内容:
 虚淵玄(ニトロプラス)×水島精二 注目のSFアニメ『楽園追放』、11月15日公開電脳世界の捜査官アンジェラは、謎のクラッキングを調査するため地上に降り立つ。話題のアニメを完全ノベライズ。

 西暦2400年、地球はナノハザードによって廃墟と化し、人類の多くはデータとなって電脳世界ディーヴァで暮らしていた。
 しかしディーヴァが、フロンティアセッターと名乗る謎の存在からハッキングを受ける。
 ディーヴァの捜査官アンジェラは、マテリアルボディを身にまとって地球に降り立ち、地上捜査員ディンゴとともにフロンティアセッターの謎を追う。
 虚淵玄(ニトロプラス)×水島精二の話題のアニメを完全ノベライズ。(早川書房HP書籍詳細より)
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/21171.html

劇場アニメ「楽園追放―Expelled from Paradise―」公式HP
http://rakuen-tsuiho.com/

「向井豊昭の闘争 異種混交性(ハイブリディティ)の世界文学」岡和田晃



書名:『向井豊昭の闘争 異種混交性(ハイブリディティ)の世界文学』

著者:岡和田晃

出版社:未來社

出版日:2014年7月1日

ISBNコード:978-4-624-60115-7

値段:2808円

学術出版社・未來社のPR誌連載された「向井豊昭の闘争」を主軸とし、大幅に増補・改稿した、作家・向井豊昭の評伝。
「『怒り』の力を取り戻すこと。ひとえにこれが、本書の目的である。」(本文より)

現代の批評は何を取りこぼしてきたのか。時代の閉塞に亀裂をもたらす「怒り」の力を取り戻すため、若き文芸評論家・岡和田晃が、文学史の闇に埋もれた作家・向井豊昭(1933~2008)の生涯と作品を、いま再び世に問う。〈アイヌ〉に対する征服者としての痛みを背負いながら「爆弾の時代」を通りぬけ、グローバリズムと商業主義の暴力に裸一貫で立ち向かった作家のたどり着いた場所とは。巻末の作品リストも壮観。

「ディヴァイン・コンクェスト ―小惑星帯のヒロイン―」山口優



書名:
 「ディヴァイン・コンクェスト ―小惑星帯のヒロイン―」

作者名:
 山口優

出版社:
 講談社

出版日:
 2014年8月2日

ISBNコード:
 ISBN-10: 406283877X
 ISBN-13: 978-4062838771

値段:
 1404円


・キャッチコピー
 「暗黒の宇宙で義手の少女パイロットは戦う」


・作品の「舞台」についての概略/簡単なあらすじ
 西暦2034年、人類は太陽系に進出していた。小惑星帯では、良質な鉱物資源を含む小惑星や微小惑星を獲得する資源探索業が盛んだった。しかし、広大な小惑星帯全体を警備することは不可能に近く、他人が見つけ出した資源小惑星を強奪する者=海賊が相次いだ。特にインドと欧州連合の管理圏の境界宙域では、両者が偶発的な衝突を恐れてパトロールの頻度を下げたために、海賊事件が頻発していた。そんなとき、この宙域の海賊事件現場に颯爽と現れ介入する、圧倒的な強さを誇る一機の戦闘機『ヴァルナ』が登場した。インド神話で『正義の神』を意味する『ヴァルナ』の正体とは。

『北の想像力――《北海道文学》と《北海道SF》をめぐる思索の旅』岡和田晃(編集)



書籍名:『北の想像力――《北海道文学》と《北海道SF》をめぐる思索の旅』
編者:岡和田晃
執筆者:(五十音順)
 石和義之
 礒部剛喜
 浦高晃
 岡和田晃
 忍澤勉
 倉数茂
 小谷真理
 高槻真樹
 巽孝之
 田中里尚
 丹菊逸治
 東條慎生
 橋本輝幸
 藤元登四郎
 増田まもる
 松本寛大
 三浦祐嗣
 宮野由梨香
 横道仁志
 渡邊利道
装丁:平野甲賀
出版社:寿郎社
発売日:2014年5月28日
判型/ページ数:A5判/798ページ
価格:本体7,500円+税
ISBNコード:978-4-902269-70-3
Webサイト:寿郎社


 20人のSF批評家たちが北海道文学と北海道SFを〈世界文学〉〈スペキュレィティヴ・フィクション〉として読み直した日本文芸評論史上画期をなす空前絶後の評論大全!

 安部公房・荒巻義雄の古典的作品から清水博子・円城塔の実験的作品、アイヌ民族の口承文学、北海道が描かれた海外作品、北の風土にかかわる映画・アニメ・ソフトウエア・音楽にいたるまで――。
 ジャンルを超えた批評家たちの倦まざる批評実践によって日本近代文学の限界を炙り出し、〈辺境文学〉としての北海道文学と北海道SFを〈世界文学〉〈スペキュレィティヴ・フィクション〉として読み直すことで、文学とSFの新たな可能性を〈北の大地〉から見出した、空前絶後の評論大全、北海道の出版社から刊行。
 巻末には2段組で98ページに及ぶ「北の想像力」を俯瞰するための作品ガイド(165作品)が収録されています。

「突変」森岡浩之



 どんな話かは徳間書店の紹介ページで読んでください。

 病気で死にかけたせいか、単純に歳を取ったせいか、下町人情ものを書きたくなった。
「おとっつぁん、お粥ができたよ」「いつも済まないねえ」「それは言わない約束でしょ」てな感じの話を書いてみたくなったのである。

 しかし、あいにくハイソサエティな育ちで、下町の暮らしには馴染みがない。
「へんっ、てめぇにゃなんもわかっちゃいねぇ」と下町っ子に鼻で嗤われるという屈辱を回避するには、独自の下町世界を構築しなくてはならないのだ。

 いろいろ試行錯誤をするうちにふと思い出したのが、中公新書の『ヴァイキング(荒正人・著)』という本である。もう半世紀近く前に出た書だが、わたしが読んだのは大学生のころだったろうか。
 この中でヴァイキングのグリーンランド植民地について語られている。近ごろ出た『文明崩壊(ジャレド・ダイアモンド・著)』で詳細に語られているから、ご存じの方も多いだろうが、掻い摘んで説明すると、こんな話である。

「『妖怪探偵・百目』(1) 朱塗の街」上田早夕里





書名:『妖怪探偵・百目』(1) 朱塗の街
作者名:上田早夕里
出版社:光文社(光文社文庫)
出版日:2014年7月10日
ISBNコード:978-4-334-76767-9
定価:600円(税別) ※電子版も同時期発売。


 2008年に、異形コレクション・第40巻『未来妖怪』に掲載された「真朱の街」は、後にシリーズ化されて、「小説宝石」誌上で不定期連載が続いておりました。このたび、2014年度掲載分までが一冊にまとまり、文庫による刊行がスタートしました。全3巻で完結の予定です。

『向井豊昭傑作集 飛ぶくしゃみ』岡和田晃



書名: 『向井豊昭傑作集 飛ぶくしゃみ』

編・解説: 岡和田晃

出版社: 未來社

出版日: 2014年2月5日

ISBNコード: 978-4-624-93442-2

値段: 2310円

〔転換期を読む22〕
「ハックション! ハックション! ハックション!」
 感動のくしゃみだ。
 感動? 感動のリズムは、人の理性を狂わせる。リズムこそ、狂わされなければならないのだ。とりあえず、くしゃみの母音を剥ぎ取ってみよう。

 新しい言葉が必要なのだ。「これは単に文法的な用語の問題なんですよ。差別なんかじゃありません」と答えてしまうのは、差別をおこなってきた古い言葉の領域からの言い逃れに過ぎなかった。アイヌとヤマトの区切りのこちら、ヤマトの側から、あちら側のアイヌを十把一からげにして、「彼等」とまとめてしまうその立位置の思想性――問われているのはニッポン語なのだ。
 
 (「飛ぶくしゃみ」より)


人と人とを隔て、差別と抑圧を産み出す「境界」。その解体を目論み、死の直前までゲリラ的な執筆活動を持続した反骨の作家、向井豊昭(1933~2008)。40年を越える執筆歴をもちながら、長らく黙殺されてきたその仕事を、若き文芸評論家・岡和田晃が、「近代・アイヌ・エスペラント」を軸に精選した傑作集。解説と詳細な年譜を付す。