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「豆腐怪獣トフラーと行く銀河鉄道の終点」―豆腐洗い猫その2― 間瀬純子


(PDFバージョン:toufukaijyuu_masejyunnko
『読めば読むほどむなしくなる! かわいい猫の妖怪、豆腐洗い猫の悲惨な冒険』

 一、薄気味悪いほど眩しい豆腐ユートピア


 空港から、その湖までは、定期的にバスが出ている。バスの名前は『豆腐洗い湖号』だ。真新しい水色の車体には、四角い豆腐の絵が大きくペイントされている。
 世界中から集まったバックパッカーたちが、リュックサックを背負い、いきおいよくバスに乗りこんできた。乗客たちの中には、恋人どうしもいるし、子連れやペット連れの人もいる。一人で来た人もたくさんいるが、あっという間にみんな友達になる。
 バスが発車すると、後部座席で、ロック青年のすっとんきょうな声がした。「あなたは! 『スクリーミング・トーフ・クイーンズ』の……」

「夜の豆腐洗い湖」―豆腐洗い猫その1―間瀬純子


(PDFバージョン:yorunotoufu_masejyunnko
『読めば読むほどむなしくなる! ばかばかしくて、ものがなしい連作小話』


 むかしむかし、豆腐を洗う猫の妖怪がいました。猫ちゃんは、豆腐洗い猫と呼ばれています。これから延々と語られるのは、この『豆腐洗い猫』のサーガ・叙事詩である。

 さて、豆腐洗い猫は、毎日、豆腐屋さんの厨房で、水槽の中に、手というか両前足を突っこんで、豆腐を洗っています。しかし、猫の手からはするどい爪が飛びでているので、しょっちゅう豆腐にひっかき傷をつけてしまいます。

マセ ジュンコ


間瀬純子(ませじゅんこ)
昭和42年(1967年)、東京生まれ。幻想/嫌な感じの小説を制作。
1996年、別名義にて、小説JUNEに作品が初めて掲載される。
2005年に、短編「新しい街」が第五回異形コレクション公募最優秀作品賞受を受賞。
http://masej.blog.fc2.com/
お仕事お待ちしております。

ミヤノ ユリカ


宮野由梨香(みやの ゆりか)
1961年生まれ。長野県塩尻市出身。
「阿修羅王は、なぜ少女か…光瀬龍『百億の昼と千億の夜』の構造」で第三回日本SF評論賞を受賞。現在、同論の続編にあたる作品を執筆中。