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「無職の俺が幼女に転生したがとんでもないディストピア世界で俺はもう終わりかも知れない:第一話」山口優(画・Julia)

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 栗花落(つゆり)晶(あきら)という自分の名前には特に愛着はない。
 だから、病院の受付のAIがその名を呼んだときにも、俺は「あ、はい」と気のない返事しかできなかった。
 子供の頃はそうではなかったはずだ。もっと俺自身という存在を特別に思っていたはずだ。だが、俺の人生は俺にその特別感をずっと与え続けてはくれなかった。
 第二氷河期と呼ばれる就職難の時代に、俺は大学を卒業した。
 およそ西暦二〇四〇年代前半に起きたその時代は、AIの発展により産業構造の大幅な変換が起こり、俺達が大学で学んだことはほとんど全く企業には望まれず、俺は何度も何度も俺のES(Exploit Summary)データを多くの企業にはねられ続けた。大抵は単能力型AI(ASI、Artificial Specific Intelligence)にはねられ、総合AI(AGI、Artificial General Intelligence)の審査までいったものすら少数だった。
 たぶん、俺のESを見た人間はいないのだろう。
「栗花落さーん、順番です」
 その声に、俺はのそのそと立ち上がり、受付に向かった。