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【竹内博氏追悼エッセイ】「竹内君の思い出」井口健二

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 怪獣映画研究の第1人者であり、個人的には長く友人として付き合わせて貰った竹内博君が亡くなった。2年ほど前から入院して病気はその後も進行したのだろうが、一昨年12月に会ったのが彼の顔を見た最後だった。
 互いに故大伴昌司氏の弟子という立場だった彼と僕だったが、実は大伴氏の生前は顔を会わせたことはなく、初対面は氏の告別式の時だったと思う。突然少年が僕の前に現れて挨拶をされたが、思えば彼はまだ10代半ばの頃で、その割には礼儀正しく丁寧な挨拶だった記憶がある。
 ただし大伴氏からは生前に一度だけ、「井口君は怪獣に余り興味が無いようだから、そちらの方面をやってくれる若い人に手伝って貰うことにした」という話を聞かされたことがあり、多分それが彼のことだったのだろう。
 そんな彼は大伴氏の伝もあって円谷プロに入り怪獣作品のプランナーとしても活躍して行くことになるが、現実的には大伴氏という後ろ楯もなしにそれを行った彼の努力も計り知れないものだ。

イグチ ケンジ

井口健二(いぐちけんじ)
一九四九年神奈川県生まれ。芝浦工業大学電気通信学科卒業。少年時代よりの熱心なSFファン、映画ファンであり、中学時代にはSF同人誌「宇宙気流」に参加、大学時代には「一の日会」のメンバーとしてファン活動を続ける。SFと同様に映画に対する研究に熱中、高校時代には、日本の映画情報にあきたらず海外の映画関係文献の収集を始める。一九六八年、『二〇〇一年宇宙の旅』に深い感銘を受け、翌六九年SF研究家大伴昌司に師事、七〇年国際SFシンポジウムでは事務局員を努めた。大学卒業後は会社勤めのかたわら評論・研究活動を続ける。SF誌へのデビューは、「SFマガジン」誌七一年七月号の映画紹介欄『トータル・スコープ』、大伴昌司との共作であった。本名のほかに一時大空翠名義で活動したこともある。
 責任編集した本として、『スーパー・ヴィジュアル・スター・ウォーズ』『THE MAKING OF さよならジュピター』などがある。