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「バレンタインギフト」図子慧

(PDFバージョン:valentinegift_zusikei

 イベントというものは普及しすぎると、ありがたみが薄れてきます。
 最近、めっきり影が薄くなっているのがバレンタイン・ディ。毎年この時期には、街のあちこちに専用コーナーが設けられて珍しいチョコを手に入れることができるのですが、ここ数年なんとなく活気がありません。うちの近所の店などコーナーは作るものの、積んであるのは、徳用チョコと通常商品の特売セールのみという脱力ぶり。ま、所帯やつれして甘い辛いも一緒くたのおばちゃんおじちゃんのお店なので、徳用チョコでいいんですけどね。ちと淋しい。

「SF Prologue Wave編集部新春のご挨拶」(画・図子慧)

(PDFバージョン:SFPWsinnshunn


①ペンネーム
②肩書き
③SFPWの編集として新年にあたって一言
④今年のお仕事などの活動予定 
⑤SF的アンケート
 a.神になって世界のなにかを変えられるとしたら、なにを変えますか?
 b.タイムマシンを作るとしたら、どんなルールを作りますか?
 c.ペットにしたいクリーチャーは?
⑥一言

「ズッシーは三途の川の夢をみるか」図子慧

(PDFバージョン:sannzunokawanoyume_zusikei
 先日、NHKクローズアップ現代の特集は、「天国からの“お迎え”」だった。
 最近のNHKは、大介護時代を目前に、孤立死、墓、とテレビとしては未踏の分野に分けいっている。
 お迎え特集というからには、狩野芳崖の慈母観音図でもでるのかと思ったが、そういう方向の話ではなく、家族や医療関係者のアンケートをもとにした、医療や看取りの場における「”お迎え”の効用」の真面目なドキュメンタリーであった。
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 お迎えは説明するまでもないが、亡くなる間際に、死んだ身内や親しい人々がおとずれて、迎えにきてくれるという幻影である。
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 わたしも、母を看取ったときに経験した。

「鳥籠」図子慧

(PDFバージョン:torikago_zusikei
 去年の年の暮れに、十年来持っていた鳥籠を処分した。

 買ったのは香港で、値段は日本円で一万円ぐらい。竹細工でてっぺんがドーム型のよくある鳥籠だった。香港の市場でみた瞬間、猛烈に欲しくなった。鳥屋のおじいさんに交渉して、思い通りの形でスーツケースに入る大きさを探してもらった。
 一緒にいった友だちは、「鳥も飼わないのに、そんな高い鳥籠を買って」と呆れていた。だが、どうしてもどうしても欲しかったのである。ブランドのバッグより、化粧品より、その鳥籠が欲しかった。
 その鳥籠は今はない。だから思いだしながらこれを書いている。青磁の小さい水差しとえさ入れがついていた。巣もあった。

ズシ ケイ

図子慧(ずし けい)
1986年、集英社コバルトノベル大賞を受賞してデビュー。愛媛県出身。コバルト文庫、角川ルビー文庫、角川ホラー文庫、一般文芸書で刊行物あり。ミステリと女性向け小説を主に書いております。SF長編は連続ボツ記録更新中。近作は早川書房から易を題材にした連作ミステリ『駅神』シリーズ、大森望監修SFアンソロジー『NOVA 5』(河出書房)など。

「恐竜たちのいるところ~TPP交渉参加の駆け引きをながめて~」図子慧

(PDFバージョン:kyouryuutatinoirutokoro_zusikei
 日本は、野田首相によれば(11/12日経新聞朝刊)、TPPに「交渉参加に向けて関係各国と協議に入る」そうである。
 反対派によれば、「事前協議に入る」だけで「交渉参加を表明したのではない」のだそうだ。寝言か? 他国は、日本の交渉参加意志の表明である、と受けとめている。
 交渉締結まで三年はかかるそうで、その間に総選挙もあれば首相交代もありうる。とりあえず未来に厄介事も借金もぶん投げておくのが、日本の政治担当者の基本姿勢なので、TPPも最後までやり抜く決意があるのかどうか疑問である。