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「ゆうやけ」東條慎生(画・寮美千子)
(PDFバージョン:yuuyake_toujyousinnsei)
石けりあそびにあきたとき、きがつけば、ボクはどこにいるのか、わかりません。
石けりあそびにむちゅうになって、しらないばしょに、きてしまったようです。
空がオレンジ色になっていました。そろそろ、かえるじかんです。
けれども、道がわかりません。
道をききたくても、だれもいません。
かべばっかりで、せまい道が、まっすぐ、まっすぐ、つづいています。
むこうから、人のこえがしています。
道をあるいていくと、だんだん人のこえが、大きくなってきました。
リョウ ミチコ
寮美千子(りょう・みちこ)
1955年、東京生まれ。1986年、幼年童話で毎日童話新人賞受賞。2005年、長編小説で泉鏡花文学賞受賞。2006年、首都圏を離れて奈良に移住。童話から小説、絵本など幅広く活躍。自らが挿画を手がけた作品に『星の魚―Memories of the galaxy』(2002年) がある。