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アリムラ トオル

有村とおる(ありむら とおる)
千葉県生まれ。
2004年「暗黒の城(ダークキャッスル)」で第5回小松左京賞を受賞。
2011年7月電子書籍「ほら、ピーちゃんが飛んでいる」をAppStoreで発売。
http://www.maroon.dti.ne.jp/littlebird/

【小松左京氏追悼エッセイ】「小松左京先生のこと」有村とおる

(PDFバージョン:komatusakyousennseinokoto_arimuratooru
 子供の頃、ギリシャ神話を読んで空想を広げると、想像の世界にはオリンポスの神々が実在していました。想像世界の実在感があまりに強かったので、ギリシャはすでに失われた国、アトランティスやムー大陸のような伝説の世界にちがいないと感じていました。やがてギリシャが地中海に面した国であり誰もオリンポスの神々を信じていないと知ったとき、私の心の神話は崩壊して不思議な違和感だけが残りました。
 小学生のときから物語を読むのが大好きで、とくにSFを手当たりしだいに読みふけったためSFが空想の中で身近な存在になっていました。40年前に豊田有恒さんの書いた作家たちのゴシップ、星新一さんの漏らした悪口の話に笑い転げながら、どこかSF作家が現実の人間と感じられず、オリンポスの神々のように想像世界で生き生きと活躍している人々に思えていました。小松左京先生はそうした伝説の巨人たちの中で、ひときわ大きなスーパーマンでした。