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「わが名は『ガッツ』」東野 司(画・河田ゆうこ)

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 春だった。
 リビングの大きな窓を開けると、小さな横長の庭。すぐ手前のバラの根元に体をこすりつけている一匹のネコがびっくりして、こちらを振り仰いだ。
 一瞬、アメリカンショートヘアに見えた。くりっとした瞳が見上げるその表情は、まるでシュレックに出てきた長靴をはいたネコのようで、思わず見とれていた。
 それが、ガッツとの出会いだった。
 まだ、彼は子猫で、当時は地域猫だと思っていた。いわゆるノラなのに、アメショーのような(実際には、シルバーの縞柄に白)肌合いで、ふんわりと丸い顔はキュートで思わずおいでと手を出したものだった。

トウノ ツカサ

東野司(とうの つかさ)

1957年、愛媛県生まれ。横浜国立大学大学院中退。
テクニカルライターを経て、86年「赤い涙」(SFマガジン)でデビュー。
主な著者に「ミルキーピア物語」シリーズ、「地球SOS」(早川書房)「よろず電脳調査局ページ11」シリーズ(徳間書店)、「何かが来た」(岩崎書店「21世紀空想科学小説」シリーズ)など。
岩崎書店「21世紀空想科学小説」シリーズ、プロデュース。
日本文藝家協会会員、日本SF作家クラブ第17代会長。

小松左京さんを偲んで(寄せ書き)

(PDFバージョン:komatusakyousannwosinonnde
 本サイト「SF Prologue Wave」は、この度の小松左京さんの訃報に接し、SFにも、また日本SF作家クラブにも、多大なご貢献のあった氏に敬意を表し、ここに小松左京氏の追悼企画として、天国の小松さんへ会員有志による『寄せ書き』を捧げます。
 ただし、ここにあるものが全てではありません。『追悼エッセイ』としてご寄稿いただいた方もおられます。また、氏の訃報は我々会員にとって衝撃であり、「ショックで、今はまだ何も書けません」と申される方が多数おられたことも、ここに付け加えさせて頂きます。
 小松左京さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。(「SF Prologue Wave」編集部一同)