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ウエクサ マサミ


植草 昌実(うえくさ まさみ)
1965年、愛知県に生まれる。書店員、出版社勤務を経て、現在失業中。
1994年から海外ミステリ、ホラー等の翻訳を手掛ける。1999年刊行のウォルター・サタスウェイト『名探偵登場』より、植草名義を使用。
2005年、『魔地図 異形コレクション』に創作「幻燈街再訪」が収録される。
現在、ホラー&ダーク・ファンタジー季刊誌『ナイトランド』の編集に従事しつつ、『ミステリマガジン』等で翻訳業に復帰。

『ナイトランド』サイト(トライデント・ハウス)
http://www.trident.ne.jp

「足跡」植草昌実


(PDFバージョン:asiato_uekusamasami
 たいして収集しようという気もなかったのに、手元に小さな化石がゴロゴロ転がるようになっている。
 ことのおこりは小学生の頃だろう。遠足で岐阜県の瑞浪に行った。中新世の哺乳類、デスモスチルスの化石が発掘されたところだ。当然、目的地は博物館で、あの面長のカバのような巨獣の化石を見たし、敷地の中で化石掘りもさせてもらった。小さなかけらではあったけれど、木の葉と二枚貝の殻が裏表になった化石を拾って、意気揚々と帰ったのを覚えている。
 子供の頃から、化石になったのも生きているのも、動物はなんでも好きで、椋鳩十や戸川幸夫の本と一緒に、たかしよいちの本も学校の図書室で借りては読んでいた。瑞浪のデスモスチルスについては、遠足のあと『まぼろしの怪獣』で発掘のいきさつを読み、先に読んでおけばよかった、と思ったものだ。