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電子総合文藝誌『月刊アレ!』 Vol.18

(文責:片理誠)

『月刊アレ!』 Vol.18

 電子総合文藝誌『月刊アレ!』の2013年2月号は 【日本SF作家クラブ50周年記念小説特集】 と銘打たれたSF大特集となっております。

 巻頭対談のゲストとして瀬名秀明さんが登場され、『大空のドロテ』の創作秘話やSFに対する思いを語られている他、日本SF新人賞や小松左京賞の出身者(13名)が「消失!」を共通のテーマに設定して短編SFの競作にチャレンジしております! 各人各様、13通りの「消失SF」の妙味をご堪能くださいませ!

「ゴースト・オブ・ユートピア」樺山三英

「ゴースト・オブ・ユートピア」ハヤカワSFシリーズ Jコレクション



樺山三英(著)
早川書房
ISBN:978-4-15-209306-6
刊行日:2012/06/22
1,785円

あらすじ:
ディストピアSFの古典がいかにして誕生したかを著者オーウェルの生涯をたどることで探る「一九八四年」、
あの奇想天外な風刺小説を異色の会話劇として再構築した「ガリヴァー旅行記」、
激動の20世紀陰謀史をQ&A形式で解体する「すばらしい新世界」ほか、
古今東西の文学作品10篇をモチーフに、21世紀という時代に本質を追究する試み。

『一九八四年』に始まり、『ガリヴァー旅行記』を経由して、『華氏四五一度』へ――
〈ぼく〉でもある〈きみ〉は21世紀のユートピアを追い求める
伊藤計劃、円城塔と同年デビューの異才が、Jコレクション初登場
(早川書房ホームページより)

「under construction」樺山三英

(PDFバージョン:underconstruction_kabayamamituhide
 九月から六本木の森美術館でメタボリズムをテーマにした展示が行われている。メタボと言えば、樺山も最近はお腹周りが気になるお年頃である。そういうわけで、さっそく見に行くことにした。とはいえ実はこちらの展示、肥満とかダイエットとかとはまったく関係がない。正式なタイトルは「メタボリズムの未来都市展」、副題が「戦後日本・今甦る復興の夢とビジョン」。つまりは建築にまつわるお話である。メタボリズムとは元来、新陳代謝を意味する生物学の用語。それを転用して、一九六〇年代に提唱された建築理論および運動が、この展示のテーマである。これだけ聞くと、やや地味な印象かもしれない。ところがところが、さにあらずで。ここに体現されているのは戦後日本が夢見た未来史、オルタナティヴなビジョンそのものだ。現実の建設プラン・都市計画が時にSFの域に達する。そんな「ありえたかもしれない」日本を垣間見せてくれる、稀有な企画なのである。

カバヤマ ミツヒデ

樺山三英(かばやま みつひで)
1977年東京都生まれ。学習院大学文学部卒。
2007年『ジャン=ジャックの自意識の場合』で、第8回日本SF新人賞を受賞。
2010年『ハムレット・シンドローム』で、第9回センス・オブ・ジェンダー賞話題賞を受賞。
近況:大森望責任編集『NOVA6』(河出書房新社)に、短篇を載せていただきました。