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【竹内博氏追悼エッセイ】「竹内博さんとの出逢いと第2回SFショーが自分の原点だった」氷川竜介(アニメ評論家)

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 2011年6月27日に、竹内博さんが亡くなった。ゴジラやウルトラマンなど怪獣映画を再評価し、円谷英二ら特撮の基礎を築いたクリエイターに関する研究を生涯貫いた大先輩であり、大事な師匠である。激しい喪失感にとらわれた。
 竹内博さんはビジュアル文化の旗手・大伴昌司さんの弟子である。しかし、大伴さんと竹内さんのアプローチはすこし違っていた。
 少年マガジンの巻頭特集や怪獣の内部図解に見られるように、大伴さんはフィルムのなかにある世界をメディアなりに料理して、その地続き感を拡大してイラストなどを駆使していた。講釈師というか、ある意味、現実を過大にプロデュースすることで生じる幻惑感みたいなものを子どもに伝える役割をはたしてきたと思う。
 一方の竹内さんは、フィルムを人の手がつくりあげた作品であることをとても大切にしていた。資料主義であり、写真や雑誌記事など実物のもつパワーを信奉していた。そしてリスト魔でもあった。現実に存在する混沌とした情報を整理することで、新たに見えてくる高次の流れをつかむという点では、学究肌であった。