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電子総合文藝誌『月刊アレ!』 Vol.18

(文責:片理誠)

『月刊アレ!』 Vol.18

 電子総合文藝誌『月刊アレ!』の2013年2月号は 【日本SF作家クラブ50周年記念小説特集】 と銘打たれたSF大特集となっております。

 巻頭対談のゲストとして瀬名秀明さんが登場され、『大空のドロテ』の創作秘話やSFに対する思いを語られている他、日本SF新人賞や小松左京賞の出身者(13名)が「消失!」を共通のテーマに設定して短編SFの競作にチャレンジしております! 各人各様、13通りの「消失SF」の妙味をご堪能くださいませ!

「決闘狂」片理誠

(紹介文PDFバージョン:kettoukyoushoukai_okawadaakira
 第2期『エクリプス・フェイズ』シェアードワールド小説企画の第5弾は、片理誠の新作「決闘狂」だ。
 これは傑作である。何はさておき、この血と硝煙に満ちた世界を堪能してほしい。あなたの五感に訴えかけるものがあるはずだ。

 本作は、今まで「SF Prologue Wave」で発表されてきた『エクリプス・フェイズ』小説のなかで、もっともポストヒューマンSFの王道に近い作品だと言えるかもしれない。
 SFにおけるポストヒューマンを考えるにあたり、大分して二つの流れが存在する。一つは、伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』にて大胆な再解釈が施されたことが記憶に新しい、ロシアの神秘主義思想家フョードロフに代表される、ルネッサンス期に確立されたヒューマニズム、すなわち人間中心主義の延長線上で広義のポストヒューマニズムを考えるもの。情報体(インフォモーフ)の身体性に切り込むことで、この主題に挑んだものとしては、「SF Prologue Wave」で発表された「Feel like making love――about infomorph sex」のような作品がこの系譜にあたるだろう。
 もう一つは、人間の魂(エゴ)がデジタル化したことがすでに自明となり、近代文学的な内省のあり方を根底から塗り替えた、いわば「人間機械論」の系譜に連なる、ポストヒューマン時代のハードボイルドとも言うべき作品群だ。
 恐甲(ダイノクロム)軍団の一員として戦う、知性を有した超戦車の一人称を採用し――スティーヴ・ジャクソン・ゲームズの傑作ゲーム『オーガ』に多大な影響を与えたと言われる――キース・ローマーの《BOLO》シリーズ(「最後の司令」と「ダイノクロム」が邦訳済み)、あるいは徹底して内面描写を廃した戦闘機アズラーイールのエッジの利いた描写が蠱惑的なピーター・ワッツ「天使」が、その代表格と言えるだろう。
 そして「決闘狂」は紛れもなく、後者の系譜に属する快作である。密度の濃い文体に詰め込まれた戦闘描写の妙味、永久に続く凄惨な殺し合いの苦味に酔いしれよ。2013年の幕開けにふさわしい、ポストヒューマニズムの現在形が、ここに映し出されている。このような迫力ある作品が、日本人でも書けたのだ。英語で紹介されれば、評判を呼ぶことは間違いない。

 『エクリプス・フェイズ』ファンにとっては、第1期で「黄泉の縁を巡る」を連載していた片理誠は、もはやお馴染みの書き手と言ってよいかもしれないが、本作はどことなくユーモラスな調子も漂う「黄泉の縁を巡る」とは、タイプが異なる作品だ。片理誠は、作品中にSFやファンタジー、さらにはミステリの成果を贅沢に盛り込むジャンル横断性を内包した作風で知られるが、「決闘狂」をお読みになった方には、ぜひとも『Type: STEELY タイプ・スティーリィ』(幻冬舎)をお勧めしたい。ライトノベル的な意匠に「騙されて」はいけない。暴力と狂気に満ちた怒濤のアクションで読者を魅了する作家、それもまた、片理誠の顔なのだ。(岡和田晃)



(PDFバージョン:kettoukyou_hennrimakoto

 なぜこんなことになってしまったのかは、どうしても思い出すことができない。だがなぜ思い出すことができないのかは、はっきりと思い出せる。奴のせいだ。殺さなくては。奴に殺される前に──

「デンタル・ジャンパー」片理誠

 シャカシャカシャカ、歯を磨いていると、いつの間にか理想郷への旅を考えてしまう。しがないサラリーマンの俺がなぜ?それにしても、この歯ブラシ変じゃないか?
 オリジナルのファンタジー&ホラー作品を配信する電子絵ものがたり「九十九神曼荼羅(つくもがみまんだら)シリーズ」。

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「SF Prologue Wave編集部新春のご挨拶」(画・図子慧)

(PDFバージョン:SFPWsinnshunn


①ペンネーム
②肩書き
③SFPWの編集として新年にあたって一言
④今年のお仕事などの活動予定 
⑤SF的アンケート
 a.神になって世界のなにかを変えられるとしたら、なにを変えますか?
 b.タイムマシンを作るとしたら、どんなルールを作りますか?
 c.ペットにしたいクリーチャーは?
⑥一言

「デジタルの夢/アナログの夢、NEOの近況について」片理誠

(PDFバージョン:NEOnokinnkyou_hennrimakoto
 この文章を書いている2012年11月3日現在、私は「NEO」という創作集団の窓口役を拝命しております。
 そこで今回はこのNEOに関して多少ぶっちゃけたところを書いておければと考え、筆を執ることにいたしました。もし良かったらお付き合いくださいませ。
「NEO」が誕生するに至った経緯については、以前私が書いた「SF Prologue Wave」というコラムにあるとおりですので、今回は我々の近況についてを主に取り上げたいと思います。

「タイムレス・カプセル」片理誠

 人生の空しさを心底から感じた時だけその「おっちゃん」は現れる。6年間真剣につき合ってきた恋人と別れたその日も、空っぽの容器の姿で、自称99%の神さま「おっちゃん」は現れた。
 モノが魂を持って動き出す!怒り狂う怪物、奇跡を起こす妖精。時を超え、姿を変えて現れる不思議のかずかず。 オリジナルのファンタジー&ホラー作品を配信する電子絵ものがたり「九十九神曼荼羅(つくもがみまんだら)シリーズ」。

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「幻想郷民譚 ジンライブ1」片理誠

(PDFバージョン:jinlive1_hennrimakoto
 ハイライの奴が「洞窟に寄っていこう」などと言うものだから、“詫びしらの森”に到着したのは昼をだいぶ過ぎてしまってからになった。まったく、エルフ族の考えることはよく分からない。これからこの暗い森の奥まで進んで、日のある内に帰ってこなくては、こちらの身が危ういというのに。
 自然と俺の足は速くなる。ハイライめは後ろから、まるでハイキングでも楽しんでいるかのようなリラックスした様子でついてくる。まったく、事態がよく分かっていないんじゃないか? いくらエルフが優れた狩人だからって、夜の森で「あいつ」に出くわしたくはないだろうに。
 樫や楓、楢、椚。鬱蒼とした木々に囲まれた小道は昼なお暗い。湿っていて、夏だというのに風すらもひんやりとしていた。

「ジャンク・ジャンキー・ジャンクション」片理誠

 モノが魂を持って動き出す!怒り狂う怪物、奇跡を起こす妖精。時を超え、姿を変えて現れる不思議のかずかず。 オリジナルのファンタジー&ホラー作品を配信する電子絵ものがたり「九十九神曼荼羅(つくもがみまんだら)シリーズ」。
 「ジャンク・ジャンキー・ジャンクション」は、時を司るモノたちの旅の始まり。地球と火星の定期航路は日帰りで出張でき、量子コンピュータを有機系生体コンピュータが運用する未来。地球と月には別々の政府があり、戦争騒ぎがあったくらい仲が悪い。情報省の制御室で不眠不休の仕事を続けていたサラリーマンの「俺」はコンピュータを使役してこの世のあらゆること、ヨーロッパの高々度ハイウェイの年間パスの発行数から春日部シティの人口統計の再計算まで、様々な指示をネットワークに送る情報エリートだ。その「俺」が、ごみの山の中で100年以上前の旧式時計と出会った。ともに時を刻む仕事のためにすり減り、そして時代遅れの廃棄物となったふたり。だがそれでも古時計は、捨てられたものたちの桃源郷(ジャンクリラ)を目指すという。果たして彼の言う理想郷は実在するのだろうか?

(注意:PlanetariArt版の「ジャンク・ジャンキー・ジャンクション」と内容は同じですので、ご注意ください)

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「黄泉の縁を巡る 4」片理誠(画・小珠泰之介)

(PDFバージョン:yominofuti04_hennrimakoto
 こんな弁当箱みたいなのがサイレンの魔女なの、と彼女。
 ああ、と俺はウルフ号のコクピットで肯く。
「……まったく危ないところだった。あと数秒で俺も消されてた。今考えても生きた心地がしないぜ。こいつは俺たちにとっては天敵みてぇな存在だ。出会っちまった不幸を呪うしかない悪夢だぜ。あんな強力なコンピュータ・ウィルスは生まれて初めてだった。俺のワクチン・ソフトはまったく効かなかった」
「本当に? うわぁ、それじゃ私でも危ないね」
「試そうなんて夢にも思わないことだな。だが、まぁ、勝てなくても無理はないさ。何せこいつは、ティターンズだ」
 へ、と少女の立体映像が小首を傾げる。
「このちっこいのが?」

「黄泉の縁を巡る 3」片理誠(画・小珠泰之介)

(PDFバージョン:yominofuti03_hennrimakoto
「随分、広いのね」
 リラの声が少し硬い。
 広大な宇宙空間にいる時よりも、重巡洋艦の格納庫の中という閉鎖空間を漂う時の方が不安感が強いというのも考えてみれば奇妙な話だが、確かに広大な空間だった。
 俺のラグタイム・ウルフが二百隻は格納できそうな部屋だ。ハンガーの形状から察するに、戦闘機ではなく大型ミサイルの格納庫だったらしい。だが今は全て空だった。どうやら全弾を撃ち尽くした後で大破したようだ。
 辺りは漆黒の闇だ。ライトで周囲を照らしながらウルフはゆっくりと進む。本当ならドローンと呼ばれる機械端末を繰り出して手広く周囲を探査したいところなんだが、生憎、その装備は切らしたっきり補充ができていない。やれやれ。ますます貧乏が嫌いになりそうだぜ。
 空間自体は広いが、立体格納庫の柱や梁が縦横無尽に走っているのでひどく進みづらい。剥き出しのフレームはどれもまだギラギラと銀色に輝いていた。
「船長! あれ!」
 少女が行く手を指さす。

「小松左京さん流創作スタイルに関する私的覚え書き ~音読的発想法のススメ?~」片理誠

(PDFバージョン:komatusakyousannryuu_hennrimakoto
 2011年7月26日、小松左京さんが80歳でこの世を去られました。氏のあまりに突然の訃報に我々の多くが茫然自失、驚き、狼狽え、その巨大な喪失感に打ちひしがれることとなりました。
 知らせを聞いた直後は、とにかく何かしなくてはという焦りだけが空回りしている状態で、何をすればよいのかは皆目見当もつかない。大勢がきっとそんな状態だっただろうと思います。
 それでもとにかく、今は「SF Prologue Wave」というサイトがあるのだから、まずはきちんと追悼をしよう、偉大な英雄のお弔いを皆でしようじゃないか、ということになり、不肖片理めがその取りまとめ役を拝命いたしました。

「黄泉の縁を巡る 2」片理誠(画・小珠泰之介)

(PDFバージョン:yominofuti02_hennrimakoto
 三百と数十時間の宇宙航行はつつがなく終了した。何らかの異常があればすぐに対応できるよう半覚醒モードで過ごしたのだが、拍子抜けだ。もっともこの辺りは真っ当な船なら必ず避けてとおる宙域。つまりは、そのまっとうな船を食い物にする海賊どもも普通ならいない、っていうことになる。今回の依頼主はおおかたドジでも踏んだのだろう。大戦の亡霊がうろついているかもしれないこんな危険領域にくるのは普通だったら冒険家か、お宝狙いの墓泥棒だけと相場は決まっている。
 船は逆噴射によって既にかなりの減速をしていた。ここから先は慎重に行かなくてはならない。
 俺は広域レーダーに目を凝らす。今はまだクリーンだが、はてさて、この先どうなることやら。
「アクティブ・レーザー・スキャンを実行。三十秒置きだ」
「敵から丸見えになっちゃうよ、いいの? 松明持って近づいてゆくようなものじゃない」
 しかたない、と俺。
「進行方向上下左右四五度の範囲だけでいい。リラも各センサーからの反応に注意していてくれ。漂う破片の中にはステルス性の塗料が塗られているものもあるからな、レーダーだけでは感知できないことがある。俺はまだこんな宇宙墓場でスクラップの仲間入りをするつもりはないぜ」

「黄泉の縁を巡る 1」片理誠(画・小珠泰之介)

(紹介文PDFバージョン:yominofutishoukai_okawadaakira
 この「黄泉の縁を巡る」は、片理誠の手になる『エクリプス・フェイズ』のシェアードワールド小説だ。大作であるために、「SF Prologue Wave」上では、連載という形で紹介していく。
 『エクリプス・フェイズ』には大別してスペースオペラ的な側面とサイバーパンク的な側面があるが、本作は『エクリプス・フェイズ』のスペースオペラ的な醍醐味を存分に堪能させてくれる痛快作だ。何はともあれ、まずは騙されたと思って本文を読んでみてほしい。迫力ある空中戦から始まる怒涛の展開に、あなたはきっと引きこまれて止まないはずだ。
 主人公のジョニイ・スパイス船長の設定は『エクリプス・フェイズ』のルールシステムに則って作成されたものである。その後、実際に片理誠はジョニイ船長を使って『エクリプス・フェイズ』のゲーム・プレイに参加している。その時のプレイしたゲームのストーリーと「黄泉の縁を巡る」との間に直接の関係はないものの、本作品はロールプレイングゲームのエッセンスに満ちたものとなっており、細部の描写も経験者ならではの躍動感に溢れている。
 なお、本小説には既存の設定を参考にしながら、作者が独自に想像を膨らませた部分がある(特に“大破壊”の描写や空中戦など)。あらかじめご了承されたい。

 片理誠は、第5回日本SF新人賞の佳作を受賞した『終末の海』(徳間書店)でデビューした後、ミステリやSFなど様々な要素を含んだエピック・ファンタジー『屍竜戦記』シリーズ(徳間書店)、量子論と多世界解釈をまさしくゲーム的に表現した本格SF『エンドレス・ガーデン』(早川書房)、近未来の東京で生体兵器とのハードなアクションで魅せる『Type: Steely』(幻冬舎)と、高水準の長篇を次々と発表している。領域横断的な作風が片理誠の特徴だが、本作は初の本格宇宙冒険SFということもあり、ファンにとっても要注目の逸品だ。

 本作品のアートワークを担当するのは、イラストレーターの小珠泰之介。「コミックFantasy」誌(偕成社)のファンタジーコミック大賞佳作入選経験もある描き手だが、長年にわたるSF読者でもあり、イメージ喚起力に優れたアートワークには独特のセンス・オブ・ワンダーがある。海外のイラストレーションとはまた違った味わいを堪能していただきたい。(岡和田晃)



(PDFバージョン:yominofuti01_hennrimakoto
 見上げるとバブル・キャノピーの向こう側に暗黒の海原が広がっていた。頼りなく瞬く手前の星々は、今にもその底に飲み込まれてしまいそうに思われた。
 あの向こうに無限の世界がある。思えばこんな超高々度哨戒機の操縦士に志願したのも、少しでも星の海に近づきたかったからなのかもしれない。
 もう少しだ、と俺は独りごつ。あともう少し金が貯まれば、こんな薄汚い惑星ともおさらばできる。潜りの工場どもが垂れ流す汚水にしこたま含まれる重金属やら環境ホルモンやらがこの地球をすっかり駄目にしつつある。海洋汚染だけじゃない。大気も大地も、どこもかしこも、有害な化学物質やら放射能物質やらにまみれようとしている。
 この地球こそが宇宙で最も美しい星だなどと利いた風なことを抜かす奴もいるが、見てもいないくせに何が分かるのかと俺は思うね。他人の思い込みなんぞに興味はない。金星、火星、そして木星圏や土星圏。あの向こうにはフロンティアがあるんだ。金さえあればそこへ行ける。俺はこんなゴミみてぇな星で終るつもりはない。のし上がるのさ。そのためにはチャンスをつかまなくてはならず、チャンスをつかむためには実力とコネ、そして金が要る。

「復活の船」片理誠

(PDFバージョン:fukkatunofune_hennrimakoto
 この世界はまるで牢獄だ、と告げた俺に対して、眼前の美女が手元のワイングラスから顔を上げた。
「なぜそのように思われるのですか、勇者様」
 雪のように真っ白なキトンに身を包んだふくよかな彼女は、とろけるような柔和な笑みを浮かべる。
「ご覧下さいませ、この花園を。騎士様がたが蛮族よりお守りくださればこそ、薔薇もかように咲き誇っていられるのです」
 俺は周囲を見渡す。
 大理石でできたこの神殿を色とりどりの薔薇が幾重にも取り巻いていた。まるで虹に囲まれているかのようだ。大勢の女たちが蝶を追いかけながら、アリアを高らかに歌っている。
 そう。一見しただけならここは確かに美しい。だがここの薔薇は、永遠に枯れることがない。

SF作家の書店「PlanetariArt」より電子書籍短編/「キングのアザーサイド」片理誠/「夜明けへの帰還」伊野隆之/「宇宙の終わりの嘘つき少年」八杉将司

BIGLOBEパブリッシング・SF作家の書店「PlanetariArt」(http://publish.biglobe.ne.jp/planetariart/index.html)にて先日ゴミ九十九神シリーズを出した片理誠、伊野隆之、八杉将司による書き下ろし新作SF短編が配信されました。



「キングのアザーサイド」片理誠
http://publish.biglobe.ne.jp/planetariart/bookshelf_0002/book_00000024/ja/index.html

「夜明けへの帰還」伊野隆之
http://publish.biglobe.ne.jp/planetariart/bookshelf_0002/book_00000025/ja/index.html

「宇宙の終わりの嘘つき少年」八杉将司
http://publish.biglobe.ne.jp/planetariart/bookshelf_0002/book_00000026/ja/index.html

「天使にいたる病」片理誠

(PDFバージョン:tennsiniitaruyamai_hennrimakoto
 後背上部翼状変形症候群、というのが医師の告げた病名だった。それも典型的なね、のおまけ付き。
 ほら、ご覧なさい、とレントゲン写真の一部を指さす。
「ここ。まだ小さいですが骨格が形成されつつある。こりゃ、生えますね」
 そんな、と俺。合成革張りのスツールから思わず腰が浮き上がる。

「片理誠インタビュー」聞き手――高槻真樹・宮野由梨香

(PDFバージョン:interview_hennrimakoto


――まず、最新作『Type:STEELY』 (幻狼ファンタジアノベルス) について伺わせて下さい。上巻と下巻の2分冊なんですよね?

片理「はい。既に両方とも発売されています」

――もう、一気に読んでしまいましたよ~。すごく面白いです。推進力がありますね。長いのに、長さを感じさせないという感じです。

片理「ありがとうございます」

「ゴミ九十九神」シリーズ(電子書籍)



このほどBIGLOBEパブリッシング・SF作家の書店「PlanetariArt」にて、「ゴミ九十九神」シリーズが始まります。
http://publish.biglobe.ne.jp/planetariart/
NEC・BIGLOBEのプレリルームでも紹介されています。
http://www.biglobe.co.jp/pressroom/info/2011/12/22c

第一弾は「ジャンク・ジャンキー・ジャンクション」片理誠著、「ヒア・アイ・アム」伊野隆之著、「眼差し」八杉将司著の三作品がリリース。

「Type:STEELY 下」片理誠


書名 『Type:STEELY 下』
著者 片理誠
イラスト 緒方剛志
出版社 幻冬舎コミックス “幻狼FANTASIA NOVELS”
発売日 2011年12月29日
ISBN:978-4-344-82392-1
定価(税込):900円+税

「Type:STEELY 上」片理誠


書名 『Type:STEELY 上』
著者 片理誠
イラスト 緒方剛志
出版社 幻冬舎コミックス “幻狼FANTASIA NOVELS”
発売日 2011年11月29日
ISBN:978-4-344-82371-6
定価(税込):900円+税

――キャッチコピー
 「化物となった少年は、終ることのない戦争の中に何を見出すのか?」、というのを自分では設定していました。

「ハッピー・フューについて」片理誠

(PDFバージョン:happi-fyu-nituite_hennrimakoto
 しばらく前に新聞のコラムで「ハッピー・フュー」という言葉を目にしました。ハッピー・フューとは、「少数の幸福な人々」という意味。
『本が売れなくなったと言われて久しいが、元々本というのは「ハッピー・フュー」のためのものなのだから、これが本来の姿なのである』、というのがそのコラムの主張だったように記憶しています。

「猫と鼠の等速運動」片理誠

(PDFバージョン:nekotonezumino_hennrimakoto
 駿河湾は今日も良い天気だった。
 水面を吹き渡る涼しい風が目深に被った麦わら帽子の縁をもてあそぶ。さざ波がキラキラと輝き、ゆっくりとしたうねりが海のあちこちに斑模様を描いている。足下のテトラポッドでは波が打ち寄せる度にフナムシが逃げたり戻ったりを飽くことなく繰り返していた。
 磯の香りを胸一杯に吸い込むと私は防波堤の先端に向けて歩を進めた。

小松左京さんを偲んで(寄せ書き)

(PDFバージョン:komatusakyousannwosinonnde
 本サイト「SF Prologue Wave」は、この度の小松左京さんの訃報に接し、SFにも、また日本SF作家クラブにも、多大なご貢献のあった氏に敬意を表し、ここに小松左京氏の追悼企画として、天国の小松さんへ会員有志による『寄せ書き』を捧げます。
 ただし、ここにあるものが全てではありません。『追悼エッセイ』としてご寄稿いただいた方もおられます。また、氏の訃報は我々会員にとって衝撃であり、「ショックで、今はまだ何も書けません」と申される方が多数おられたことも、ここに付け加えさせて頂きます。
 小松左京さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。(「SF Prologue Wave」編集部一同)

「世界の底のガラス瓶」片理誠

(PDFバージョン:sekainosokono_hennrimakoto
 横殴りの雨が古びたアクリル板の上に不規則な波紋を描く。流れ落ちてゆく水がそこにいびつな波を立て、遠くに見える繁華街の明かりをゆらゆらと歪めた。時々刻々と姿を変えてゆくその光の環は、まるで踊っているかのようだった。時刻は午前二時。寒い。俺はコートの襟を立てる。
「……こんなところに電話ボックスがあるなんてな。近頃じゃ携帯電話に押されてすっかり姿を見なくなってたが。まだ、あったんだな」

「SF Prologue Wave」片理誠

(PDFバージョン:SFPrologueWave_hennrimakoto
 当サイトをご訪問頂き、まことにありがとうございます。

 この度、我々が配信する無料のネットマガジン、『SF Prologue Wave』がついに公開される運びとなりました! ところで、「ついに公開される運びとなりました」といきなり言われても、ほとんどの方は何のことだかサッパリお分かりにならないと思います(汗)。ので、この場をお借りして、これまでの経緯について皆様にご説明をば申し上げたいと存じます。どのようなわけでこのサイトが誕生したか、ここに書き記しておきます。

ヘンリ マコト

片理誠(へんり まこと)
1966年生まれ。東京都出身。
第5回日本SF新人賞佳作入選。

著作等については Amazon著者セントラル をご参照ください。

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Twitter : @henri_makoto
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