(PDFバージョン:bokkoku_sekiryuuji)

近年、甲骨文字を書く書家が増えている。書道展などに行っても必ずと言っていいほど甲骨文字を書くグループの作品が展示されている。原賢翏(はらけんりょう)が主宰する《墨刻》もそうした甲骨文字を愛する書家のグループだ。
2019年8月4日、筆者は岡山県倉敷市にある由加神社本宮で行われた《墨刻》のパフォーマンスに参加した。以前から優れた活動をしていると聞き、楽しみにしていたのだ。(同年にはスペインで展覧会が開かれ、その後電通本社でも展示(2019年10月~2020年3月)が行われた)
太い筆が白い用紙に打ち込まれていく。力強く規矩のはっきりとした字が次々と生み出されていく。打ち込みの鋭さ、力強い字体。ただ荒々しいだけではないクオリティーの高い創造力豊かな文字が墨刻の魅力だ。
「これまでの流派にとらわれず、字の根源までさかのぼり、新たな字を自由に作りたい」グループを主宰する原賢翏は、そう語る。